2: 薬剤耐性菌問題―解決のポイントは家畜への抗菌剤使用の削減 | 化学物質過敏症 runのブログ

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家畜への抗菌剤の使用では、家畜が病気になった場合の治療用だけでなく、慢性的に抗生物質を餌に混ぜて成長促進や過密な環境での病気予防の目的で投与することも行われている。家畜に抗菌剤を与えた場合、家畜の腸内では、普通の細菌は死滅しその抗菌剤に耐性をもった細菌だけが生き残って増殖する。

そうした耐性菌は、家畜の糞などに付着して環境中に出たり、食用肉に付着したりして人が感染することになる。
豚への抗菌剤使用は日本が先進国中1位では、いったい日本での家畜用の抗菌剤の使用量は、外国と比べてどのくらいなのだろうか? 

全体の使用量を比べた調査では、家畜への抗菌剤使用が圧倒的に多いのは相変わらず中国で、アメリカが2位となっている。

アメリカでの使用量は日本の7倍だ。
しかしそもそも家畜数にも違いがあるので、家畜の肉1kg 当たりの抗菌剤使用量を比べたのが図2だ。


豚、鶏、牛と家畜別に分かれたデータだが、豚ではダントツで日本がトップ。

鶏でもフランスやアメリカと僅差の1位。

牛だけがアメリカに及ばないが2位だ。
 使用量が多いのだから、耐性菌が増えるのは間違いない。

農水省による国内の家畜由来の耐性菌のモニタリングで示されている。

抗菌剤の中でも最も多く使われているテトラサイクリンに耐性を持った大腸菌が見つかった家畜の割合が、豚で55.1% 鶏で45.5%、牛で19%だ。
国の「薬剤耐性対策アクションプラン」では、大腸菌のテトラサイクリン耐性率を2020年までに33%以下に下げる目標を掲げているが、牛では達成できているが豚と鶏では努力が必要だ。
 抗菌剤の使用量の削減が必要だろう。

数値目標は示していないものの、農水省の支援事業で、抗菌剤を投与しない無薬養豚の取り組み事例集も発表されている。

抗菌剤をまったく使わないということは、病気が発生するリスクがある。

そのため衛生管理の徹底が必要になる。そのため飼育頭数を減らすなどの努力も必要になる。すると経済効率性は悪くなる。

この無薬養豚を増やすためには、抗菌剤不使用の豚や鶏肉を、消費者が価値を見出し買い支える必要がある。

しかしそのためにはまず、こうした肉を我々が買えることが前提となる。