シ ッ ク ハ ウ ス 症候 群 と脳機 能 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・シ ッ ク ハ ウ ス 症候 群 と脳機 能
角田 正 史1〕,三 木猛生 1・2 〕,相 澤好治1) (北 里 大 学 医 学 部衛生 学 公 衆 衛 生 学 o ,JAXA2 })
【は じめ に 】ホ ル ム ア ル デ ヒ ド,トル エ ン 等の 化学物質の 室内汚染 と主に関連 付け られ るシ ッ クハ ウ ス 症候 群が社会問題となっ て い る が,シ ッ クハ ウ ス 症候群 は現 時点で 医学 的 に統一され た概 念で は ない .

一方 ,化 学物 質過敏 症 (MultipleChemicalSensitivities ;MCS )とい う微量化学物質曝露に よ り誘発され る病態 も提唱 されて い る.

シ ッ クハ ウ ス症候群 とMCS につ い て重複 す る症 例の 報告 が あ り,臨 床にお い て 共 に シ ッ クハ ウ ス 症候 群 と して 取 り扱 われ る場合が 多い .

こ れ らの 疾患概 念を整理 ,病態を解明 しt 客観的診断方法を確立 す るこ とが課題 であ る.

MCS 患者 で は芳香剤 も不快に 感 じられる こ とよ り.にお い の 脳 にお け る情動処理機構 に 問題があ る とい う説 が提唱 され た.

そ こで 今回は MCS 患者を対象に 嗅覚刺激閾値以下 の 微量物質曝 露 と芳香 剤曝露に よ り脳 シ グ ナ ル の 変化 が 見 られ る の か を functionalMRI (fMRI)を用 い 解析 し,嗅覚及び情動脳が MCS に 関与する か を検討 し,病態解明,客観的診断方法の 第一歩 とす るこ とを 目的 とした.
【方法1北里研 究所病院臨床環 境医学 セ ン ターにて MCS と診断 された患者か ら同意 を得た 14名 と対照 と して 原則公募した 17名を対象 と した.

対象者 に樹脂 バ ッ グ及 び送 気管を用 い トル エ ン 5,10,25ppb,芳香 物質 と して phenyl ethyl alco −ho1(PEA )10ppm をそれぞれ 30秒間曝露 30秒間休止を 5回繰 り返 し鼻部に曝露 し (休止 時 には純空気 を送気),fMRI(GeneralElectric )を用 い 撮像 し,曝露 時 の シ グナ ル 増強の 有無 を脳 各部位につ い て AdvantageWorkstationver .4.0 を用い て 解析 した.
【結果】トル エ ン 25ppb 曝露及び PEA 曝 露につ い て ,MCS 群 が対照群 に比べ シ グ ナ ル 増強の 反応率が 有意に 高か っ た .
脳 を 110部位 に分 け シ グナル 増強が あ る部位 をカ ウ ン トす る と,PEA 曝露 につ い て ,MCS 群が 対照群に比べ シ グ ナル 増強部位 が有意 に多か っ た.

こ の シ グナル 増強 部位が多 い の は大脳 辺縁系で あ っ た.
【考察】嗅覚閾値 に達 しない 濃 度の トル エ ン 曝露で は 25ppb に おい て MCS 群 の シ グ ナ ル 増強を認め ,に お い と して 知覚で きる PEA 曝露 で は特に大脳辺縁 系で シ グナ ル 増 強 を認めた,にお い とそれ以外の 経路で 知覚された化学物質が過剰な脳 の 反応 を示 す可能性があ る