5:新シックハウス症候群に関する相談と対策マニュアル | 化学物質過敏症 runのブログ

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(3)シックハウス症候群の症状と室内環境因子(アルデヒド・VOC,真菌・ダニアレルゲンなど)との関係室内の化学物質濃度は札幌市では他の地域と比較してパラジクロロベンゼン以外は濃度が高く(図 1),これは,北海道の寒冷地住宅の高気密性と換気不足が考えられる。

北海道のみならず全国の高気密住宅で換気が不足すると室内の化学物質濃度が高くなることが考えられるので注意が必要である。

また,札幌市の同一の戸建て住宅で連続する 3 年間,室内化学物質濃度は,ホルムアルデヒド,アセトン,トルエンは経年で濃度が減少する傾向が見られたが,リモネンは濃度が増加した(図 2)。

リモネンは材木から放散されるほか,柑橘系香料として室内芳香剤や洗浄剤などの日用生活用品に利用されることから,居住者が発生源になる物品を外部から住宅内に持ち込むことが考えられる。

化学物質によるシックハウス症候群の予防対策には,化学物質の持ち込みに対する居住者の意識を高めることも重要である (14)。


図 1 北海道・札幌市とそのほかの 5 地域における室内の化学物質濃度の違い。棒グラフはそれぞれの濃度中央値。<LOD,検出下限値未満。(相談マニュアル(改訂新版)p 39)
図 2 連続する 3 年間の室内の化学物質濃度の推移。2004 年調査時に築 6 年以内の札幌市戸建て住宅 41 軒,築年の平均は 3.3年。棒グラフはそれぞれの濃度中央値を示す。<LOD,検出下限値未満。(相談マニュアル(改訂新版)p 39)