・出典:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
・「減プラスチック社会提言書」を環境省へ提出 ―海洋プラスチック問題についてのNGO提言と緊急会合(院内集会)の開催
代表理事 中下裕子
NGOネットワークによる「減プラスチック社会提言書」2018年10月29日、JEPAも参加する「減プラスチック社会を実現するNGO ネットワーク」*1は、「減プラスチック社会提言書」を取りまとめ、環境大臣宛に提出しました(資料参照)。
近年、プラスチックごみによる海洋汚染問題が深刻化しています。
世界全体で年間数百万トンを超えるプラスチックごみが陸上から海洋に流出していると推計され、このままでは2050年までに魚の重量を上回るプラスチックが海洋環境に流出すると予測されています。
この問題は今や世界的課題となっており、2018年6月に G7シャルルボワ・サミットで「海洋プラスチック憲章」が提示されましたが、日本は署名を見送りました。
しかし、2019年6月に日本でG20が開催されることから、環境省は、2018年8月に「中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環戦略小委員会」を設置して検討に着手し、10月19日には「プラスチック資源循環戦略(素案)」を発表しました。
そもそも、石油由来のプラスチックは燃焼によって CO2を排出するので、パリ協定に照らしても大幅に削減する必要があります。
しかし、同素案には、このような減プラスチック社会への構造転換を図るというビジョンが示されておらず、燃焼によりCO2を排出する「熱回収」を過度に重視しているなど看過できない問題点が含まれています。
そこで、この問題に取り組む NGO が結集して議論を重ね、小委員会での結論を少しでも良いものとするために、本提言を取りまとめました。
院内集会の共同開催
ところが、環境省の小委員会では私たちの提言を受け入れることなく、同素案をそのまま小委員会の結論として採択しました*2。
提言書は、適時にわかりやすく簡潔なものを公表することを重視して、内容を3つの事項に絞っていますが、実は有害化学物質規制の導入や拡大生産者責任の強化など、他にもさまざまな問題点があります。
そこで、私たち4つの団体*3は、提言内容に加えて、このような問題点を国会議員に理解してもらい、より良いプラスチック戦略の策定を求めるために、12月3日、衆議院第二議員会館で緊急会合(院内集会)を開催しました。
会合では、高田秀重教授(東京農工大)による基調講演「海洋プラスチック問題の現状と課題」の後、4団体が意見を述べました。
日本野鳥の会から「海洋プラスチックの海鳥への影響」、WWF ジャパンから「減プラスチック社会実現に向けての日本の役割」、3R 全国ネットから「拡大生産者責任の強化等について」、JEPA からは水野玲子理事が「プラスチック製品に含まれる有害化学物質規制の早期導入を!―
プラスチック削減は少子化対策の鍵」と題するプレゼンを行いました。
以下はその概要です。