電気自動車(EV)は、 本当に「エコカー」なのか? | 化学物質過敏症 runのブログ

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ガソリン車以上に希少金属を必要とする電気自動車(EV)は、 本当に「エコカー」なのか?
2019.04.05
谷口正次

 技術が進歩するほど、それを支える金属の需要が増える

 次世代の「エコカー」として、電気自動車(EV)が世界的に急速に普及する勢いだ

これに対して筆者が疑問に思うことがある。

EVは、運転する環境では「エコ」といえるが、その生産過程においては決して「エコ」とはいえないのではないか? ということだ。

 EVの生産には、その原材料として金属資源の需要が膨大な量になる。

このことによって鉱山の規模が拡大するとともに、サプライチェーン最上流の採掘・選鉱工程における環境・社会に対する影響は極めて大きくなっている。

 EV以外の分野でも、世界の金属需要は膨大な量になっている。

今後、さらに先進ロボット、電気自動車、再生可能エネルギー、IT機器、IoT、AI、5Gなど、技術が進歩するほど金属需要は増える一方だ。

しかし、地球上(特に陸地)の資源には限りがあり、需給ギャップが予測されている金属、つまり「枯渇」が懸念されている金属も多い。


EVの銅使用量は、ガソリン車の3~4倍
電気自動車の充電 まずは「ベース・メタル」(社会の中で大量に使用され、生産量が多く、さまざまな材料に使用されてきた金属)と呼ばれてきた銅。

 需要サイドから見ると、2018年の2400万トンをベースとして年率3.5%伸びるとした予測によると、2030年には総需要3650万トンに対して供給能力は2900万トンで頭打ちになり、750万トンの供給不足となる(*1)。

 このような需給ギャップの主な原因としては;需要を大幅に増加させるエンジンの電気自動車(EV)と太陽光、風力発電等再生可能エネルギーだ。当然ながら、EVの銅使用量はガソリン車の3~4倍にもなることを認識すべきだ(*2)。

 太陽光発電に必要な銅はメガワット当たり2.45~7トン、陸上風力発電で2.54~6.77トン、洋上風力発電で9.5トンになる(*3)。

 さらに中国の銅消費量は世界の40%を占め、なお高い伸びを示している。

それにもかかわらず国民1人当たりの銅消費量はまだ6kgで、日本やドイツなど先進諸国の1/2~1/3。今後さらに消費拡大すると予測され、大きな懸念材料となっている(*4)。

 

・銅素材
銅は今や「希少資源」となってしまった

 供給サイドの問題としては、以下のようなものがある。

・鉱石品位の低下が近年著しく、大規模露天掘り銅鉱山の鉱石品位は0.2%にまで低下している

・鉱山が発展途上国の熱帯雨林など、生物多様であるばかりか先住民族が住むような地域にシフトしてきている

・採掘規模の拡大によって深刻な環境破壊が起きている。人権・労働条件そして腐敗などの問題から地域住民や国際NGOなどの反対があり、開発期間が長期になってきている。

開発費の高騰なども

 ちなみに、銅の地殻中に存在する量は55ppm。

これに対して年間2000万トンの生産量というのは、あまりに多すぎる。

「ベース・メタル」と呼ばれてきたものの、実は“レアメタル中のレアメタル”と言ってよい状況になっている。