プラスチック問題 タイで始まったプラごみリサイクル | 化学物質過敏症 runのブログ

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2019年7月1日(月)掲載
プラスチック問題 タイで始まったプラごみリサイクル



世界的な環境汚染の問題として注目されているプラスチックごみ。

2019年6月28日から開催されたG20大阪サミットでも主要な議題の1つとなった。

各国でもプラスチックごみ削減対策として、プラスチックのストロー廃止やレジ袋の有料化などさまざまな取り組みが進められている。

そうした中、タイでは、仏教国ならではの取り組みが注目されている。

使用済みのペットボトルをお寺が集め、僧侶が着用する僧衣へとリサイクルしている。

どんな広がりを見せているのか。

ペットボトルが僧衣に!発案者は僧侶

タイのバンコク中心部の市場にある露店、プラスチック容器が大量に消費されている。

しかし、タイではリサイクルのシステムが十分に整備されていないため、プラスチックごみが川や海に流れ出し、環境を汚染する社会問題となってきた。

こうした問題を解決しようと取り組みを始めたのが仏教寺院。


バンコク近郊のジャーデーン寺、お布施として受け取っているのがプラスチックごみ。

このお寺では、使用済みのペットボトルを集め、僧侶が着る僧衣にリサイクルしているのだ。

ペットボトルを「お布施」という名目で寄付してもらうことで、リサイクルの問題をより前向きに捉えてもらおうというのが狙いだという。


このリサイクルの発案者、僧侶のマハプラノームさん。

以前からごみ問題に取り組んできたが、あるとき、プラスチックから衣服を作る技術があることを知り、ひらめいたと言う。

「もしプラスチックごみが海に捨てられたら、(有害な)マイクロプラスチックになってしまいます。今、太平洋にはたくさんのプラスチックごみがあるのです」(マハプラノームさん)。

地元住民も「このプロジェクトはいいわね

。ペットボトルがたまったら寄付するわ」と協力の輪が広がっている。



寺院、地元住民、企業の連携で実現

集めたプラスチックごみは、リサイクル工場で処理され、繊維に生まれ変わる。

これを綿などの素材と合わせて布にする。


布は再び寺に運ばれ、地元の人たちにより僧衣に作り変えられ、販売されている。

1着に使われるペットボトルは15本ほど。

見た目も肌触りも従来の僧衣と遜色ない。


価格は1着約7000円。

一般的な僧衣より割高だが、すでに200着が売れた。

国内だけでなく、ミャンマーやラオスなど周辺の仏教国からも注文が相次いでいる。

発案者のマハプラノームさんは「寺だからこのようなことができたのです。私が寺の人間だから企業や人々が手を差しのべ、この活動を実現できたのです」とその成果を語った。



タイの“プラごみ”対策に日本企業も参入

プラスチックごみを減らそうという意識が高まるタイ。それをビジネスチャンスと捉え、日本企業も参入している。

タイ東部のラヨーン県に、日本の大手化学メーカーが地元企業と合弁で工場を建設、自然界で分解される「生分解性プラスチック」の生産を始めている。


土に埋めれば分解されるというこのプラスチック。

使われるのはトウモロコシなど植物由来の原料だ。タイはそれらが手に入りやすいこともあり、進出の決め手となった。

「単にビジネスの観点からではなく、社会貢献の観点からもこの事業に力を入れ発展させていきたい」(三菱ケミカルとタイ企業の合弁会社 鈴木和弘副社長)。


早速、タイ最大手のコーヒーショップチェーンがこの「生分解性プラスチック」を取り入れている。ストローや紙製のコップのコーティングなどに利用していて、客の評判も上々とのこと。

「最近のお客様は環境問題を重視しています。地球を助ける取り組みに参加できるということで、お客様からの反応もいいです」(カフェ・アマゾン役員)。

タイでも広がり始めたプラスチックごみ対策。

いかに環境意識が根付き、普及していくかが問題解決に向けた第一歩となりそうだ。