・出典:ケミカルデイズ
http://www16.plala.or.jp/chemicaldays/index.html
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プラスチック容器 便利さをもたらす用具類が行きつく先も考えよう
プラスチック(合成樹脂)製品が身の回りに溢れています。
容器や道具、家具にいたるまでプラスチックでないものを探す方が大変なくらい。
とくに容器や包装にたくさん使われていて、それらは使い終わるとポイッと簡単に捨てられます。
皆さんは、その捨てられたプラスチックがどうなるかご存知ですか。
プラスチックのもつ、いつまでも残る、容積が大きい、という性質が、ゴミを処理するときに大きな問題となります。
一般にゴミを処理するのには3つのやり方がありますが、プラスチックはそれぞれ問題を抱えています。
A.燃す場合。
プラスチックは石油を材料としたさまざまな物質の混合物なので、燃やすとさまざまな化合物ができます。
その中ではダイオキシンが有名で、その対策がとられていますが、それ以外にも燃やす温度やプラスチックの種類によって無数ともいえる物質ができて空気中へ排出されます。
B.リサイクルの場合。
プラスチックはいろいろなものが混ざっているので、「混ぜればゴミ、分ければ資源」というリサイクルの原則からしたら、質のいいリサイクル製品にすることができません。
お金やエネルギーもかなりかかりますが、プラスチックはもともと安いので、リサイクル製品も高い値段がつけられません。
これを経済用語では「コストが合わない」といいます。
C.埋め立て。
ゴミの最終処分地は埋め立てです。埋め立てといっても、海だけでなく、山や谷に埋めるのも埋め立てです。
狭い日本では埋め立てできる場所はどんどんなくなっています。
一番の問題は、プラスチックは埋め立てたあと、木や紙のように地中で分解することなく、半永久的に残ることです。
そして、含まれている有害物質をジワジワと放出して、水や空気を汚染します。
プラスチックごみの行方にはもうひとつあります。
散乱ゴミというものです。
散乱ゴミは放っておくと、見えなくなりますが、一部は地面に埋まって、そのまま残ります。
一部は風に飛ばされ、水に流されて、やがて海へ流れていきます。
海岸がゴミで埋まってしまい、たくさんの人でその掃除を行ったというニュースを見たことがあると思います。漂着ゴミと言われているものです。
それらは船や漁船が捨てたものも多いのですが、それ以外に日本の西にある大陸部から流れ出して漂着したものがかなりあります。
そのため、お隣の国が捨てたゴミでひどい目にあっていると思いがちですが、その前に、それでは私たち日本の陸から流れ出したものはいったいどうなっているのでしょうか。
まず国内の漂着ゴミのかなりの部分が国内からのものです。
さらに多くの部分は海流に乗って東へ流れていき、北太平洋の海の中で大きなゴミ溜りをつくっているのです。
その大きさはアメリカ本土の2倍の面積、総量は1億トンにもなり、ますます拡大しているそうです。
これらのゴミは半分沈んだようになって半永久的に残ります。
そしてたくさんの海鳥や魚がそれを口に入れて死んでいきます。
私たちの便利な暮らしが、海岸をゴミで埋め尽くし、巨大なプラスチックの海を作り出しました。
これだけプラスチックが溢れてしまっては、どこから手をつけていいか分かりませんが、私たちも、生活の中で、プラスチックはできる限り使わないように、特に使い捨てになるものは買わないように努力しましょう。