2:人体にマイクロプラスチック、初の報告 | 化学物質過敏症 runのブログ

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シュワブル氏は、今回の調査は規模が小さすぎるため、ガム、魚、協力者の日課、彼らの住んでいる場所といった個々のファクターについて結論を導くことはできないと述べている。
オーストリア環境庁は、この糞便のサンプルについて、10種類のプラスチックが含まれているかどうかを検査している。

その結果、9種類のプラスチックが発見された。最も多かったのはPET、そして食品の包装材や合成繊維の服によく使われるポリプロピレン(PP)だった。

 糞便のサンプルに含まれるプラスチックの量は、平均プラスチック片20個で、サイズは50~500マイクロメートルだった(人間の毛髪の太さは約100マイクロメートル)。

由来も経路も不明
 英プリマス大学の海洋科学者、リチャード・トンプソン氏は、糞便に含まれるプラスチックの量に驚かされたと述べている。

その数値は、海産物に含まれるとされるプラスチック量を基準に割り出されるものよりも高いという。

 トンプソン氏らの研究チームは今年、食品に落ちる空気中のプラスチック繊維と、スコットランド産の食用イガイに含まれるマイクロプラスチックとでは、どちらが人間の体内に取り込まれるリスクが高いかを比べた研究結果を発表した。

論文によると、イガイよりも空気中の繊維のほうが摂取するリスクが高かった。

 糞便に含まれるPETは、ペットボトルや食品包装材に由来する可能性がある一方で、カーペットやカーテン、衣類などのものかもしれない。

「マイクロプラスチックが辿った経路がわかれば、解決策を見つけるうえで多少は助けになるでしょう」

 しかしたとえ経路が判明したとしても、「体への害に関しては何の手がかりにもなりません」とトンプソン氏は言う。

 シュワブル氏自身も、たった8人のサンプルから、あまり多くのことを断定しないよう警告している。

「われわれは体への害については調査していません」とシュワブル氏。

「人間の糞便の中にマイクロプラスチックが存在することを示しただけです。

これまできっとそうだろうと予想されていた内容が、今ではわたしたちが知る事実となったのです。そこが重要な点です」


【参考ギャラリー】プラスチックごみに翻弄される動物たち(画像クリックでギャラリーへ)
プラスチックのパッケージで遊ぶハンドウイルカ。

こうしたパッケージは、のどを詰まらせたり、怪我をさせたり、海の動物にダメージを与える可能性がある。米国ハワイ。

(PHOTOGRAPH BY FLIP NICKLIN, MINDEN PICTURES/NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)
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文=LAURA PARKER/訳=北村京子