・26.アミド系・カーバメート系・尿素系除草剤(別表26参照)
農薬名
アラクロール(ラッソー) フェンメディファム(ベタナール) ブタクロール(マーシェット)
プレチラクロール(エリジャン,ソルネット) メトラクロール(デュアール)
メフェナセット(ヒノクロア) リニュロン(ロロックス) DCMU(カーメックスD,クサウロ
ン,ジウロン,ダイロン) DCPA *
(スタム) IPC(クロロ IPC) MCC *
(スエップ)
症 状
皮膚・粘膜刺激,メトヘモグロビン生成作用
•経口の場合:悪心,嘔吐,腹痛,下痢,メトヘモグロビン血症
•皮膚に付着した場合:皮膚刺激
治療法
Ⅰ章【2】項 農薬中毒の治療(P3~P5)に記した処置のうえに,
◦メトヘモグロビン血症に対し,必要に応じて(メトヘモグロビン濃度が30%以上など),メ
チルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー静注50㎎「第一三共」)の静脈内投与(慎重
投与)
初回投与:通常,小児および成人には,メチルチオニニウム塩化物水和物として1回1
~2㎎/㎏を5分以上かけて静脈内投与する
追加投与:投与1時間以内に症状が改善しない場合は,必要に応じ,同量を繰り返し投
与できるが,アニリンによるメトヘモグロビン血症の場合,本剤の投与により
溶血性貧血を悪化させることがあるため,累積投与量は4㎎/㎏までとする
◦皮膚や粘膜の症状には抗炎症剤の投与
27.ベンタゾン剤(除草剤,別表27参照)
農薬名 ベンタゾン(バサグラン) ベンタゾンナトリウム塩(バサグラン(ナトリウム塩))
症 状
悪性症候群様の症状(ヒトに対する作用機序は不明)
•悪心,嘔吐,頻脈,発汗,高体温,筋硬直,横紋筋融解,腎障害,呼吸不全
•症状の出現は早く,曝露当日に死亡した例も散見される
治療法
Ⅰ章【2】項(P3~P5)に記した処置のうえ,とくに,
◦体温管理(水風呂,クーリングブランケットなどの使用)
◦筋硬直に対してジアゼパムの投与,重篤な場合は非脱分極性筋弛緩薬の投与
◦横紋筋融解に対して早期からの積極的な補液