可塑剤による汚染 | 化学物質過敏症 runのブログ

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出典:東京都健康安全研究センター
http://www.tokyo-eiken.go.jp/archive/issue/kenkyunenpo/nenpo64/
研究年報 第64号(2013)

http://www.tokyo-eiken.go.jp/lb_kankyo/room/index-j/s4_2/
可塑剤による汚染
 可塑剤はプラスチック製品や接着剤の樹脂を軟らかくするための添加剤です。

家庭では塗料、接着剤、壁紙、合成皮革、ホース、電線など様々な用途に使用されています。

日本における可塑剤生産量は年間約44万トン(2001年)で、このうち約85%をフタル酸エステル類が占めています。

フタル酸エステル類は、常温では粘ちょうな液体で、揮発性は低く、数種の物質については、内分泌かく乱作用が疑われています。

そこで、健康局では、1999年12月〜2000年10月に、東京都内の住宅(46軒、92室)、オフィスビル(25棟、50室)および外気(52ヵ所)で、空気中のフタル酸エステル濃度を調査しました1)。

 下記に、実態調査結果の概要を示します。

10種類のフタル酸エステル類を分析したところ、室内空気中からは8種類、外気からは6種類の物質が検出された。
これらのうち、濃度が高かったのはフタル酸ジブチル及びフタル酸ジ-2-エチルヘキシルだった。この2物質については、厚生労働省から室内濃度の指針値が示されているが、指針値を超えた部屋はなかった。

なお指針値は、フタル酸ジブチル:17,000ng/m3、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル:100,000ng/m3。
室内濃度と外気濃度とを比較すると、外気よりも室内の方が濃度が高い傾向がみられた。
住宅とオフィスビルの室内濃度を比較すると、住宅よりもオフィスビルの方が濃度が高い傾向がみられた。
室内濃度は室温と相関があり、室温が高くなるに従って、濃度も高くなる傾向がみられた。

図1.室内空気中フタル酸エステル濃度と室温との関係
DnBP:フタル酸ジブチル、DEHP:フタル酸ジ-2-エチルヘキシル