・出典:ケミカルデイズ
http://www16.plala.or.jp/chemicaldays/index.html
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・薬用ハンドソープ 手をよく洗うだけで十分、殺菌までする必要はありません
インフルエンザの流行で、手軽な殺菌剤として、アルコールや、薬用ハンドソープが売れています。薬用ハンドソープというのは、合成洗剤に、殺菌剤を添加したものです。
1990年代に「清潔ブーム」が起こり、1996年のO157による食中毒事件のときは「薬用石けん」や逆性せっけんの売上か大きく伸び、一気に家庭に広まりました。
とくに子どもの肌をターゲットにした商品が目立ちます。
■ハンドソープ有効成分の有害性
・トリクロサン(トリクロロヒドロキシフェニールエーテル)
皮膚への刺激性。動物実験で胎仔死亡率上昇、胎仔の骨格異常、奇形の報告。
有機塩素系なので、ダイオキシンの発生源となるとして、衣料用抗菌剤としては使用されなくなりました。
・イソプロピルメチルフェノール
アルコールの一種。皮膚刺激性。
・塩化ベンザルコニウム
皮膚刺激性、嚥下により、嘔吐、血圧低下、錯乱、痙攣、昏睡。死亡例も。
製品の使用上の注意にも、皮膚への刺激性、かぶれるなどの障害がおこりえることが記されています。
これらの成分によるものだけでなく、合成洗剤による洗いすぎによる皮膚障害もあります。
身の回りの殺菌剤の乱用で心配されることは、有害成分の問題だけでなく、常在菌の減少による皮膚バリアー劣化、日常的に菌に触れる機会が減ることで、自己免疫力が育たない、虚弱な体質なること。
さらに抗生物質乱用と同じことで、耐性菌が蔓延して、いざ本当に殺菌が必要なときに効かなくなるという大問題があります。
殺菌剤と耐性菌のイタチごっこは、細菌のほうに分があるのです。
インフルエンザが流行ったりしている時も、感染症予防という本来の目的でも、薬用ハンドソープは必要とはいえません。
厚生労働省も、普通の石けんを使い、指の先、指の間、手のひらのしわ、手首など普段洗い残しやすい部分に気をつけて30秒以上丁寧に洗えば充分だと宣伝しています。
流水によるすすぎ15秒だけでも、ウイルスが100分の1に減るそうです。