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スマートメーターの発火事故が続発する「根深い事情」
3/12(火) 6:01配信 ダイヤモンド・オンライン
スマートメーターの発火事故が続発する「根深い事情」
全国で切り替えが進められている次世代型の検針器「スマートメーター」の発火事故が続いている。
発火のほか異常音や照明がちらつくなどのトラブルも、東京電力と中部電力の管内で確認されている。
メーターに想定以上の電気が流れて発熱するためだが、原因のほとんどは製品の不良と施工ミスだ。
● 東電管内、27件の発火事故 異常音や照明のちらつきも
昨年11月30日午後2時ごろ、ランチタイムが終わりに近づき、客もまばらになっていた茨城県つくば市の飲食店に、アスファルトの舗装工事のような油っぽいニオイが漂った。
不審に思った店のマネジャーが外に出てみると、外壁に取り付けてあったスマートメーターから青白い炎が出ていた。
あわてて備え付けの粉末消火器で消し止めたが、外壁が焼け焦げた。
店の電気が使えず、営業ができなくなったため、客には頭を下げて帰ってもらったという。
事故直後、マネジャーは「本当にびっくりした。気が付くのが遅かったら建物に燃え移っていた」「営業補償をもらいたいぐらい」などと話していたという。
「東京電力パワーグリッド」(東電の会社分割で2016年4月に発足した配送電会社=東電PG)は12月1日、自社のサイトでこの火災を公表し、6日には「原因は施工不良の可能性が高い」と発表している。
今年2月末に店を訪れると、マネジャーは「その件はいっさいコメントできない」と話すだけ。
しかし痕跡は残っていた。
スマートメーターは真新しくなり、壁板が50センチ四方ほど取り換えられたことが、はっきりわかった。
発火まではいかないが、近所中に聞こえる異常音が出る事故も報道されている。
2017年元日、東京都江戸川区の住宅で、外壁に取り付けてあったスマートメーターから「ピーー」という、ものすごい音が出て鳴りやまず、大騒ぎになった。
当時、住人は留守だったが、向かいに住む夫婦が気づいて東電に電話で知らせ、1時間ほどで駆けつけた作業員がメーターを取り換え、異常音はおさまった。
取り換えにきた作業員が、このまま放っておけば火事になるところだった、と話したという(『東京新聞』昨年11月21日朝刊)。
東電管内だけでも、スマートメーターの発火事故は2016年5月から昨年末までに24件判明しており、今年も2月までに3件発生している(電磁波問題に取り組む市民団体「電磁波問題市民研究会=電磁波研」調べ)。
また東電PGによれば、異常音は約200件起きている。
中部電力管内では、発火・異常音・室内の照明のちらつきといった「トラブル」が50件以上確認されている(注1)。
注1 日本に先駆けて切り替えが行われたアメリカやカナダなどでも、火災が多数発生している。米カリフォルニア州では2012年に、スマートメーターを設置した翌日に火災が発生し、1人が死亡する事故も起きている(加藤やすこ『電磁波による健康被害』)。