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【シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」34回】

芳香剤・柔軟剤・制汗剤などの「香害」! 北米で広がる「香料」の使用規制
2018.02.09

 つい最近、米国人と結婚し米国へ移住した友人の娘さんと10数年ぶりに会いました。その娘さん曰く――。

 「久しぶりに日本に帰ってびっくりしたのは、どこに行っても芳香剤のニオイが強烈にするんです。米国以上ですよ。私が今、住んでいるのはデトロイト市ですが、8年前に市役所の職員に香料の使用を禁止するくらい、芳香剤などの香料使用に市民は敏感になっています。日本で米国以上に香料が充満しているのには、ガッカリしました」

 ミシガン州デトロイト市が香料規制に乗り出したのは、市職員が同僚の使用していた芳香剤で健康被害(呼吸困難)にあったことがきっかけでした。

 2010年に市は、市職員に香料の使用を禁止。

翌2011年にはオレゴン州ポートランド市でも、市職員に香料使用の自粛を呼びかけています。

また、オクラホマ州タトル市でも、市民に香料含有製品の使用自粛を訴えるなど、全米に芳香剤、柔軟剤、制汗剤などの使用自粛を求める動きが広がっています。

 米国ばかりではなくカナダでも、香料含有製品の使用自粛の動きは活発です。

2011年にノヴァスコシア州ハリファックス市は、「職場での香料不使用」を宣言しました。

その後も、カナダでは香料不使用の企業・学校・病院が相次いでいます。

 このように北米では、香料の使用自粛の動きが急速に高まっています。

規制のない日本のタクシーで「芳香剤」がブームに?
 では日本はどうでしょう? 米国やカナダでの「香料自粛」の動きが強まるに伴い、香りビジネスを先導するP&G社は、以前にも増して「香料野放しの日本」での販売攻勢を強めているのです。

つまり、今の日本は、米国以上に、柔軟剤、消臭スプレー、芳香剤、制汗剤などの「香り付き製品」が身の回りに氾濫しているのです。そして、これらの香り付け製品による健康被害も目立ってきました。

 昨年末、私も芳香剤でひどい目に遭いました。

忘年会の帰途、最寄駅から自宅までタクシーで帰ったのですが、芳香剤のニオイが車内に充満し、頭がクラクラ、めまいまでしてきました。

家に着くまで10分くらいでしたが、本当に「地獄の車中」でした。

妻に言うと、「飲み過ぎじゃないの」と冷たい一言が返ってきましたが、私は芳香剤のせいだと100%確信しています。

 一昨年の夏、日本交通タクシーはP&Gと連携して、車内のニオイの原因となる食べ物や体臭などを消臭する芳香剤「ファブタク」を、エアコンの送風口にセットして、1ヶ月限定で走らせました。日本交通タクシーに問い合わせると、「現在、ファブタクは使っておりません」とのことでしたが、この「ファブタク」が登場してから、タクシーの多くが芳香剤を車内に充満させて走るようになりました。

 ニオイに敏感な人にとって、芳香剤が車内に充満したタクシーは、ガス室に閉じ込められたようなものです。

日本交通タクシーによれば、「現在、芳香剤の使用の可否は、運転手さん個人の判断に任せている」とのこと。

タクシー会社や運転手の皆様にお願いです。

顧客サービスの一環でしょうが、芳香剤の使用はやめてください。
 

香料には多種類の危険な合成化学物質が
 芳香剤や柔軟剤などに使われている香料には、多種類の危険な合成化学物質が使われています。

香りづけ製品に使われている香料の99%は合成香料で、日本では約300種類近く製造されています。

その中の十数種類をブレンドして香料として使っているわけです。

 しかし、どんな合成化学物質を使っているかは、「企業の最高秘密のひとつ」になっています。つまり、「香料」と表示されている中には、10種類以上の合成化学物質が隠されているわけです。

 天然に存在せず、人工的に合成された香料を、「合成ムスク類」といいます。

これらには、DNAを傷つける変異原性が強いものも多くあります。

変異原性が強い化学物質は、高い確率で発がん性もあります。

しかも合成ムスク類は、分解がしにくい性質のため、人体への蓄積が懸念されます。

 実際、2005~07年に行った熊本大学・佐賀大学の共同研究で、日本人の母乳や脂肪組織に合成ムスク類の「HHCB」と「AHTN」が蓄積していることが明らかになっています。

 芳香剤などの香料は大半が合成ムスク類です。

早急に使用規制をしないと、「香害」は深刻化するばかりです。

小中学校や幼稚園でも「香害」が発生
 昨年の夏、NPO法人「日本消費者連盟」(日消連)が、2日間にわたって「香害110番」を実施したところ、213件もの相談が寄せられました。

 日消連の報告で深刻なのは、小中学校や幼稚園でも「香害」が発生していることです。今では子供も、男女を問わず、制汗剤を使うのは当たり前だといいます。

制汗剤は合成ムスク類で強い香りを出したものがほとんどです。

そのため「教室中にニオイが広がって倒れそうになる」という声が、児童・生徒だけでなく、学校職員からも「香害110番」に寄せられたといいます。

 子供の時から合成ムスク類に曝されていけば、蓄積量も多くなり、将来どんな健康被害に遭うか分かりません。野放しになっている香り付け製品には、なんらかの規制が必要でしょう。
(文=郡司和夫)