2: 米国でコーヒーの発がん物質に警告表示 ―発がん物質アクリルアミドの少ないコーヒーの選び方 | 化学物質過敏症 runのブログ

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浅煎り豆のアクリルアミドは深煎り豆の4倍
 深煎りの真っ黒なコーヒー豆では、浅煎りの茶色の豆よりも、アクリルアミドの量が少ないという研究がある。
アクリルアミドの発生は焙煎の前半でピークに達して、焙煎時間が長くなると揮発・分解すると考えられているためだ。
2009年のポルトガルでの研究で、ブラジル産のアラビカ種のコーヒー豆を浅煎り、中間、深煎りにし、発生したアクリルアミドの濃度を比較したところ、最大4倍近い差があった(図1)。
ただ、深煎り豆は苦みが強くなり、浅煎り豆の方は酸味が強いなど、焙煎度合はコーヒーの風味に大きな影響を与える。
コーヒー豆の品種による違いもこのポルトガルの研究では、焙煎度合とは別に、コーヒー豆の種類によってもアクリルアミドの量に違いが出ている。
 世界で流通しているコーヒー豆は、アラビカ種とロブスタ種が大半を占める。アラビカ種の方が品質は高いとされ、比較的高値で取り引きされている。

ロブスタ種の方がアクリルアミドの発生は多いとされており、ポルトガルの研究では約2倍の差が出ている(図2)。
コーヒーチェーンに尋ねた範囲では、スターバックスコーヒー、タリーズコーヒー、カフェ・ベローチェは、アラビカ種の豆100%という回答であった。

また、UCC や KEY Coffee などスーパーやコンビニで購入するコーヒー豆・粉商品については、おおむね値段の高い商品には「厳選アラビカ種100%」などの表示がされているので、安い商品にはロブスタ種を混ぜていると思われる。
UCC に「アラビカ種100%の商品はどれですか?」と尋ねたところ、「UCC では『ゴールドスペシャル香りの頂 濃香コクのプレミアム ドリップコーヒー』だけです」との回答であった。

KEY Coffee の豆・粉商品ではアラビカ種100%とうたっているのは「有機珈琲」という商品だけであった。
 

エスプレッソとドリップ式淹れ方による違いは?
コーヒーの淹れ方によってアクリルアミドの量は変わるのだろうか?
海外の研究で、エスプレッソとドリップの淹れ方の違いで差があるかを調べた研究が見つかった。
エスプレッソコーヒーは、高温の蒸気で一気にコーヒーを抽出する方法で、比較的ゆっくりお湯をかけて淹れるドリップ式と比べると、お湯がコーヒーの粉に接触している時間が短くなる。

その結果、普通のドリップコーヒーでは、コーヒー豆に含まれるアクリルアミドがほぼ100%お湯に移るのに対して、エスプレッソコーヒーは70%程度にとどまっていた。
 

コーヒーから摂るアクリルアミド危険性はどの程度?
 日本の食品安全委員会は今回の判決に関して、4月4日にフェイスブックでの投稿の中で、「食品安全委員会ではアクリルアミドを避けるため、コーヒーの摂取をやめるなど極端に心配する必要はないと考えています」という見解を述べている。 

心配する必要がない理由として食品安全委員会は、外国と比べて日本人のアクリルアミドの摂取量が少ないということを指摘している。

しかしアクリルアミドの発がん性は、放射線と同様のメカニズムで遺伝子を傷つけることで起こるため、どんなに微量であっても発がんリスクは残ると判断されている。
2016年の日本の食品安全委員会の調査では、日本人の平均的な食事から1日当たりに摂取するアクリルアミドの中で、レギュラーコーヒーが占める割合は5%程度である。

3しかしこのデータはコーヒーを全く飲まない人たちも含めた平均値で計算されていて、コーヒーの摂取量は1日当たり3分の1杯(3日に1杯)となっている。

筆者は大体1日3杯のコーヒーを飲むが、そうなるとコーヒーからの摂取の割合は全体の35%に跳ね上がる。
コーヒー自体にはアクリルアミド以外にもいろいろな成分が含まれており、人間への影響を調べた疫学調査では、膀胱がんのリスクが増えるというデータがある一方で、肝臓がんのリスクは減った、という矛盾する結果が出ている。

国際がん研究機関は長年、コーヒーについては「人への発がん性の可能性あり」と判断していたが、2016年に再評価を行い、「人への発がん性については分類できない」という判断へ変更している。
しかし一方で、アクリルアミドについては、「人への発がん性はおそらくある」という強い判断を下している。

コーヒーに含まれるアクリルアミドが少ないことに越したことはない。

コーヒーの選び方の参考にしてもらえれば幸いである。

 

runより:そもそも弱性覚せい剤とも言えるカフェインが入ってるから化学物質過敏症患者は避けるべしですけどね。