・https://news.yahoo.co.jp/byline/nyomurayo/20181128-00105655/
黄砂は来ないがPM2.5は来る
饒村曜 | 気象予報士/青山学院大学・静岡大学非常勤講師
11/28(水) 5:00
気象衛星「ひまわり」から見た中国大陸の黄砂(11月26日15時)
中国で黄砂
中国の甘粛省では11月25日に大規模な黄砂により、農業や交通など市民生活に大きな影響がでました。
強風による高さ100メートルの砂嵐が迫ってくる画像は、世界中に配信され、大きなインパクトがありました。
気象衛星「ひまわり8号」の画像からも、はっきり黄砂が映っています(タイトル画像参照)。
ただ、この黄砂が直ちに日本に来るわけではありません。
黄砂という現象は、中国大陸で風によって上空高く巻き上げられた「黄砂」と呼ばれる砂が、上空を流れる偏西風に乗って東進し、日本付近で下降して地表面付近に達して発生します(図1)。
図1 黄砂の説明図
黄砂が11~12月に日本へ来ることがないというわけではありませんが、何といっても春先に一番多くやってきます(図2)。
図2 月別黄砂観測日数平年値
気象庁の黄砂予測では、今回の黄砂は中国大陸の中で落下し、日本までやってきません(図3)。
図3 黄砂予想図(11月28日15時の予測)
しかし、自然起源で目で見える黄砂より粒径が小さく、自然起源だけでなく人工起源のものも多くて目に見えない2.5マイクロ以下の非常に小さい粒子、PM2.5はいつでも日本にやってきます。