2:タバコの副流煙で化学物質過敏症になった」と4500万円請求の訴訟に | 化学物質過敏症 runのブログ

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原告の家族3人は、高額の損害賠償金のほかに、藤井敦子さんの夫・将登さんに対して、自宅での喫煙を禁止するよう、裁判所へ求めている。

自宅内での行動に裁判所が規制をかけかねない事態が発生しているのである。

◇副流煙と化学物質過敏症
 裁判を起こしたのは、A家の3人。

A辰夫さん・A伸子さん夫妻と、その娘である。3人は横浜市にある団地の2階に住んでいる。

A家と藤井家の位置関係は、原告からみると、斜め下の1階に被告が住んでいることになる。

裁判では、そこから発生するとされる煙草の副流煙が、クローズアップされている。

 
藤井家の換気扇の排気口


 原告のA家が訴える煙とは、次のようなものである。

 「被告が不在時でも花の香りの様な香水の様な外国製タバコの副流煙が原告宛のベランダに充満し、部屋に大量に流入してきたのである。藤井家では、被告以外にも喫煙者がいる事は間違いないと考える」(原告準備書面3)

 これに対して藤井敦子さんは、藤井家では夫の将登さん以外は、だれも煙草を吸わない、と主張する。

 ちなみにAさんの家族が発症したと主張している病気は、化学物質過敏症である。

医者の間でも、あまり認識されていない病気で、専門医も少ないが、水面下で患者が急激に増えている、と言われている。

体が化学物質に対してアレルギー反応を起こし、頭痛から精神障害まで、実に多様な症状をもよおす。

話題となることも多い「シックハウス症候群」も、化学物質過敏症の一種である。

 Aさんの訴えは、藤井家を発生源とする煙草の副流煙が原因で、家族3人が化学物質過敏症を起こした、というものである。

 はたして化学物質過敏症の原因を煙草の副流煙だけと考えて、間違いないのだろうか。

それ以外に原因はないのか。

◇心臓発作を起こす日々
 A家の3人の原告の中で、最も症状が重いのは、長女の昌子さんである。

昌子さんは、10年前に重病になり、それ以来、通院を続けている。陳述書から、化学物質過敏症の症状と生活の実態を抜き出してみよう。

 平成28年6月頃から、家族全員 咳、喉の痛み、頭痛、目の痛みを感じる様になる。

家族全員24時間マスクを常用して生活(日中、就寝時も)。(略)
 その自覚症状は、毎日、明け方から、南北ベランダに、独特の酸っぱい刺激のあるタバコ臭が充満し、その刺激臭を吸った瞬間、喉、口の中、舌がビリビリして凄く痛くなり、1日中、窓を開けられず、とても、自宅では、生活出来る状態ではなくなった。(略)

 その為に私は、タバコだけでなく、合成洗剤、シャンプー、香料、布団や衣類、マスク等の化学繊維、家具、食器等、家の中の全ての微量な化学物質に、激しく反応し、臭いを吸った瞬間、常時口の中、舌、喉、食道、肺の痛みが増し、激痛が走り、呼吸困難、心臓発作を起こし、凄まじい苦しさです。(略)

 微量な農薬、化学肥料を使った食品、水道水、ペットボトルに入った天然水すら、激痛が走り、激しい腹痛、呼吸困難、心臓発作を起こす日々は、耐えがたい、拷問の様な苦しみです。


 筆者は10年以上にわたって化学物質過敏症を取材してきたが、経験則から言って、昌子さんの症状は、おおむね真実だと思う。

ただ、その原因が副流煙だけだったのかという点については、疑問を持っている。

化学物質過敏症を引き起こす要因は、ほかにも多数あるからだ。

しかも、危険度において、副流煙の比ではない化学物質もある。