ずさんな管理 業者、立ち入り規制せず
浦添市教育委員会が言うように、本当に人体への安全性は担保されているのだろうか。
農薬に詳しい専門家を訪ね、聞いてみた。
■「まき過ぎた」
「えっ、これはちょっと…」
浦添運動公園の写真を見せると、琉球大の多和田真吉名誉教授は言葉を失った。
専門は農薬科学。
グリーンフィールドについて「毒性はあまりない」としつつ「成長調整剤は植物のホルモンに働き掛け伸びを抑えるもので、枯らせるものではない。濃度が濃すぎたのか、別のものをまいたのか?」。
枯れた草を見て疑問を投げかける。
市は報告書で「念入りに散布した結果、散布量が多くなったことに加え、台風の塩害が相まった」としている。
その見方に対しても、多和田名誉教授は「それはおかしいでしょう。
塩害なら一様に影響が出るが、枯れているのは農薬をまいた所だけ」と苦笑した。
浦添運動公園は本年度から5年間、那覇市の共同企業体が指定管理者となっている。
委託料は年間約1530万円。実際の管理は下請け業者(那覇市)が担っている。
現場責任者を直撃した。
―なぜ農薬をまいた?
「のり面の雑草の伸びが想定より早かった。作業効率と作業員の安全を考え、やむなく散布に至った」
―枯れている。
「希釈濃度は基準の上限だったが、濃くまき過ぎてしまった。ここまで効くとは想定外だった」
―のり面だけでなく、遊具周辺もまかれている。
「指示ミスがあった」
―メーカーは「安全使用上の注意」として、公園で使用する場合、少なくとも散布当日は人を近づけないよう配慮を求めている。
「ロープで立ち入り禁止にしたり、事前周知をしたりすべきだった。安全管理の意識が低かった」
この責任者は作業員がマスクも着けずに農薬を散布したことも認めた。
浦添市は取材班が指摘するまで、それらの事実を把握していなかった。
■他市は使用せず
浦添市以外でも、公園に農薬をまいているのだろうか。
県内10市の担当者に聞くと、「草は刈り取る。農薬は住民に不安を与えかねない」(沖縄市)、「『除草剤は使わないで』と委託業者に伝えている」(那覇市)などの回答が相次いだ。
浦添市以外で農薬使用は「ゼロ」だった。
今回の問題に沖縄国際大の照屋寛之教授(行政学)は「指定管理制度の悪い面が出た」とし「行政側にも責任がある」と指摘する。
「指定管理者は安全よりも効率を優先する。市民が安心して施設を使えるように、行政は指定管理者に任せっきりではなく、絶えず管理の実態をチェックしないといけない」と話す。
浦添運動公園は10月から「ANA SPORTS PARK 浦添」と名称が変わった。
市は農薬で枯れた部分に種子を吹き付け、「緑を回復したい」という。
この際、市自身も「変わった」所を見せ、市民の信頼を「回復したい」ところだ。
(真崎裕史)
runより:浦添運動公園・・・こんな所で運動できるか!(-""-;)
沖縄はテキトーな人が多いですがコレは間違いなく除草剤を間違えて撒いてますわ。