エコチル調査:妊娠中携帯電話過剰使用と出生時体重の関連 | 化学物質過敏症 runのブログ

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http://www.env.go.jp/chemi/ceh/results/material/adj_013r.pdf
論文概要の和文様式
雑誌におけるタイトル:Association of excessive mobile phone use during pregnancy with birth weight:
an adjunct study in Kumamoto of Japan Environment and Children’s Study
和文タイトル:
妊娠中携帯電話過剰使用と出生時体重の関連(JECS追加研究)
ユニットセンター(UC)等名:南九州・沖縄UC
サブユニットセンター(SUC)名:熊本大学SUC
発表雑誌名:Environmental Health and Preventive Medicine
年: 2017 月: 6 巻:22:52 頁:8

目的:出生時体重は乳幼児期の健康や発達に影響し、成人後まで影響すると言われています。本研究では、妊娠中の喫煙、多胎妊娠など、これまで報告されている低体重児出生の要因に加えて、「携帯端末の過剰使用」が妊娠生活、出産状況、新生児の健康状態に悪影響を与える新たなリスク因子となるのかという点について検討しました。
方法:エコチル調査の追加研究で、461名の妊婦を対象として調査を行いました。

妊娠中の携帯電話の使用状況及び携帯電話の依存度について質問票を用いて調査し、母体の健康状態及び新生児の体格情報、健康状態などを合わせて、統計解析を行いました。
 

結果:今回の研究によって、妊婦において携帯端末の過剰使用者が存在することが判明し、妊娠中の携帯端末の過剰使用が出生児体重の低下に影響する可能性が示されました。

さらに、携帯端末を過剰に使用することが新生児緊急搬送の割合を増加させることが示されました。
 

考察:(研究の限界を含める)
本研究で初めて日本人妊婦の携帯電話使用状況を調査した結果、女性は妊娠中も携帯端末を過剰に使用し、一般の女性会社員より携帯電話を使用する頻度が高いことが判明しました。

携帯端末の過剰使用者は、使用開始年齢が若いこと、世帯収入が低いこと、独身者に高い割合がみられました。

妊娠中の携帯端末の長時間使用は、低出生体重の予測因子となり、新生児の緊急搬送も増加させる可能性が示唆されました。

研究の限界点として、サンプル数が小さく、新生児緊急搬送数が少ないため、統計解析に十分な検出力があるとはいえません。

また、今回妊娠中の母体のメンタル状態などの情報を評価できておらず、調整しきれなかった因子があるかもしれません。
 

結論:本研究の結果では、妊娠中の携帯端末の過剰使用が母体健康及び胎児の発育・発達、出生時健康状態に悪影響を与える新たなリスク要因となることが示されました。