有機リン系農薬(ディプテレックス、スミチオン)の毒性について詳しく説明していると植木屋から下記の質問がありました。
>我々植木屋さんは、結構薬剤を浴びていますが、やはり体に害が出るのでしょうか?
それに対して私はこのように答えました。
(メールここから)
農薬に対する影響は個人差があります。
例えるなら、ガンにならない喫煙者がいる一方で、非喫煙者が副流煙でガンになる人もいます。
体調体質によって耐えられない人がいるのです。
長年、植木屋さんを続けていけていける人は有機リンなどの薬物代謝ができる体質だと推測されます。
その一方、1回曝露しただけで体調を崩したり、化学物質過敏症を発症する人もいます。
私が通院先で知り合った化学物質過敏症の男性は元植木屋さんでした。
昨年の9月14日に起きた埼玉県加須市立不動岡小学校で農薬散布事故がありました。
使用された薬剤は「ディプテレックス乳剤」で使用時の基準通り1000倍に薄めて使用していました。
しかし、授業中の児童21人と教師1人が被曝、うち、4年生6人が、頭やのどの痛み、咳や手の痺れを訴え、病院に搬送されています。
殺虫剤が原因?児童6人、手のしびれなど軽症
https://www.hochi.co.jp/topics/20170914-OHT1T50314.html
化学物質過敏症の発症原因のひとつに農薬が指摘されています。
植木屋さんは作業を終えたらその場を離れますが、ガス化した農薬は周辺の住宅地などにも長期間留まります。
シックハウスや農薬などで発症
http://www.cssc.jp/cs.html ;
有機鱗系殺虫剤、農薬、除草剤の散布による健康被害例!
http://www.nakaco.com/onbu/ameshiro/sattyuzai-sanpu-Oct-04.htm
薬剤散布は気をつけて 泣いてます 化学物質過敏症の人たち【東京新聞】(05月18日)
https://blogs.yahoo.co.jp/ht_sue/16884925.html
以上の観点から、健康被害の少ない薬剤への変更、農薬使用を最小限にとどめていただけたら幸いに思います。何卒よろしくお願いいたします。
(メールここまで)
FBFから「別紙住宅地等における病害虫防除等に当たって遵守すべき事項」で有機リン系農薬の混用はNGであることを教えてもらいました。
ダメ元で管轄の役所に遵守すべき事項の(2)(5)(7)に違反していること、過去に告知なしの農薬散布に曝露し体調を崩したことを報告。
(2)病害虫の発生や被害の有無にかかわらず定期的に農薬を散布することをやめ、日常的な観測によって病害虫被害 や雑草の発生を早期に発見し、被害を受けた部分のせん定や捕殺、機械除草等の物理的防除により対応するよう最大限努めること。
(5)病害虫の発生前に予防的に農薬を散布しようとして、いくつかの農薬を混ぜて使用するいわゆる「 現地混用」が行われている事例が見られるが、公園、街路樹等における病害虫防除では、病害虫の発生による植栽への影響や人への被害を防止するためにやむを得ず農薬を使用することが原則であり、複数の病害虫に対して同時に農薬を使用することが必要となる状況はあまり想定されないことから、このような現地混用は行わないこと。
なお、現に複数の病害虫が発生し現地混用をせざるを得ない場合であっても、有機リン系農薬同士の混用は、混用によって毒性影響が相加的に強まることを示唆する知見もあることから、決して行わないこと。
(7)農薬の散布に当たっては、事前に周辺住民に対して、農薬使用の目的、散布日時、使用農薬の種類及び農薬使用者等の連絡先を十分な時間的余裕をもって幅広く周知すること。
その際、過去の相談等により、近辺に化学物質に敏感な人が居住していることを把握している場合には、十分配慮すること。
また、農薬散布区域の近隣に学校、通学路等がある場合には、万が一にも子どもが農薬を浴びることのないよう散布の時間帯に最大限配慮するとともに、当該学校や子どもの保護者等への周知を図ること。
さらに、立て看板の表示、立入制限範囲の設定等により、散布時や散布直後に、農薬使用者以外の者が散布区域内に立ち入らないよう措置すること。
役所の担当者は「厳しく指導します」と云ってくださり、その日のうちに行政指導してくれました。
もし、私が農薬で健康被害を受けた場合、全責任は植木屋が負うことになると伝えたそうです。
役所の担当者は施主を説得する資料を植木屋に案内してくれました。
植木屋は知人の同業者から 『トワローブロワブルCT水和剤』と言うBT剤を使って効果があったと言う話を聞いたと連絡してきてくれました。
有機リン系農薬からBT剤へするため施主を説得して、なんとかBT剤に変更してもらえることになりました。
理解を示してくれて本当にありがたいです。
個人的にお願いしてもうまくいかない時は、役所に相談して間に入ってもらうことで解決につながりました。
この情報がお役に立てたら幸いです。
<参考資料>
農林水産省 住宅地等における農薬使用について
http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_tekisei/jutakuti/
別紙住宅地等における病害虫防除等に当たって遵守すべき事項
http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_tekisei/jutakuti/20130426tuchi.html
都道府県における相談窓口
http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_tekisei/jutakuti/pdf/soudan_mado_2.pdf
runより:問題にはちゃんと動く事が必要です。
動かなければ何も変わりません、自分の為、ひいては家族の為にも問題には積極的に動いた方がいいのです。
こういう前例があったり他にも方法があるのでお困りの場合私に質問してみてくださいね。