(4) 次善のアレルギー性気管支喘息の根本治療は何か?
気管支喘息は他のアレルギーと違って、放っておけば息ができなくなり死ぬことがあるので、症状が取れるまで放っておくというわけにはいきません。
従って、すぐに気管支を拡張し、呼吸を楽にしてあげることがまずしなければならないことです。しかし、その為に一時的にも免疫の働きを抑えてはならないのです。
免疫を抑えないで気管支の収縮を解除してあげられるのは漢方煎剤だけであり、免疫を抑えない限り、最後は気管支から異物を排除しようとする戦いは必ずできなくなるのです。
言わばアレルギー性気管支喘息とは汚染環境物質を気管支から排除する戦いであり、永遠に排除し続け勝ち続けられる戦いではないからです。
何故ならば人体は有限でありますが、環境は無限であるからです。
しかもいかなる戦いも最後は必ず決着がつきます。常に戦いは強い側が勝ちます。
有限が無限に勝てることはありません。
つまりこの戦いの武器であるIgE抗体は無限に作られるわけではなくて、自然に作られなくなり、無限の環境汚染物質との戦いに敗北してしまうのであります。
この事実は私が発見したのであります。これが私のアレルギー根治の根本原理であり、アレルギー性気管支喘息根治の根本原理であります。
ただすべきことは戦いが終わるまでの呼吸困難の症状をいかに楽にさせることだけなのであります。
このときに漢方煎剤の出番となるのです。
喘息の症状をいとも簡単に除去してくれるのが漢方煎剤であります。
漢方煎剤は一切免疫を抑制せずにいかなる他の西洋薬よりも症状を楽にしてくれます。
このような完治の理論と実際とを教えてくれたのは、完治まで私の治療についてきてくれた気管支喘息の患者さんであり、他のアレルギーの患者さんであります。
この事実を私は始めから知っていたわけではありません。私が始めから仮定をたてて、それを実践して証明したわけではなく、全てステロイドを使わずにアトピーやアレルギー性鼻炎・結膜炎や喘息を完全に治してあげた患者さんの経験から学んで打ち立てた理論であります。
従ってこの理論は私のみが知っており、勿論優れた博士論文に成り得るわけであります。
何故私だけがこの事実を知り得たかというと、恐らく世界で一切ステロイドや抗アレルギー剤を用いずにアトピーやアレルギー性鼻炎・結膜炎や気管支喘息の治療を行ってきた医者は私だけしかいないからです。
ステロイドや抗アレルギー剤は炎症のみならずこのような貴重な理論と事実を隠してしまうこともあり得ることを考えると、本当に罪の多い薬と言えます。
さて、外部から侵入してくる異物を抗原またはアレルゲンと言います。
しかし多くの場合は化学物質は分子量が小さく、それ自身だけではアレルゲンには成り得ません。
必ず分子量の大きい蛋白と結びついてはじめてアレルゲンになるわけです。
これらの化学物質をハプテンと言います。優れた免疫機能を持った人体はハプテンと人体が持っている蛋白とが結びついたアレルゲンを見つけると免疫機構を発動させて、最終段階でIgE 抗体を作りアレルゲンと結びついて、このアレルゲンを排除しようとする戦いを始め、最後はわざわざ気管支を閉じてアレルゲンを人体に入れまいとします。
このときに呼吸困難の症状が起こります。
にもかかわらず気管支から異物をどうしても排除しようとし続けるのは、その異物が体内に蓄積すると死をまねくという免疫機構の認識によるものであります。
しかしこの抗原抗体反応の戦いは必ず敗北に至ります。何故ならば人体において特別に作られるIgE 抗体は有限でありますが、環境に見られる農薬や化学物質は人間が文明生活を続けるために無限に作り出し続けるからです。
昔から天然の異物に対して咳き込んだりゼーゼーしたりすることはあったのですが、昔は自然に治ってしまっていたのです。
昔は現在ほど人口化学物質は無く、ただ少量の数少ない種類の天然の化学物質だけに不運にも出会ったときに、人間の免疫系は少量のIgE抗体を作って排除しようとして喘息の症状が見られたことがありました。
しかし現在は毎日体内に無限に侵入してくる大量の多数のアレルゲンである自動車の排気ガスや、大気や花粉に運ばれる人工化学物質アレルゲンに対して、IgE 抗体は大量に作られ、体内に入れまいとして使われ続けられ、呼吸が3分以上できないと死んでしまうことが多く見られるようになったのです。
この点がアレルギーの中で気管支喘息は他のアレルギーと大きく異なっているのです。
つまり喘息は命の危険が常に伴うということです。従って常に喘息の治療は急を要するのです。
いかに呼吸困難の症状を楽にしてあげるかが勝負のポイントになるのです。
ここで漢方煎剤が出番となるのです。
漢方煎剤は極めて簡単に呼吸困難の症状を除去し続けてくれます。
漢方煎剤で気管支の収縮を取ってあげれば、遅かれ早かれ有限のIgE 抗体という兵士は作り尽くされ、使い尽くされて体内で起こっているアレルギーの免疫反応は終わってしまうわけであります。
これがいわゆる自然後天的免疫寛容であるのです。
この事実はいかなる優れたアレルギーの書物にも書かれたことがなく、私が初めて見つけ出した事実であります。
実を言えば私たちが見ている気管支の症状は何も気管支が病気を起こしているわけではないのです。
あくまでも体内で生じている免疫の働きの最後の戦いの場が気管支にすぎないのです。
気管支に侵入してくる大気汚染物質を入れまいとして、気管支を収縮させるときに起こる症状が喘息と呼ばれるものでありますが、気管支を収縮させるのは免疫の働きの最終段階であり、漢方煎剤は免疫を抑制せずにこの症状を簡単に除去することができるのです。
気管支喘息の権威の書いた書物に一行も漢方煎剤がふれられていないことは誠に残念なことであります。
ただ喘息はアレルギーだけが関与しているのではなく、他の様々なファクターが関わっていますが、アレルギーが重なっていない喘息というものは極めてまれであり、やはりアレルギー性気管支喘息を根治することが喘息発作の為に死ぬことから患者を救うことになるのです。
しかしいずれにしろ漢方煎剤は様々な状況に対して極めて簡単に症状を取ること、つまり気管支を拡張することが可能なのであります。
以前は免疫を抑制して気管支の収縮を除去する為にステロイドをよく使ったものですが、一度ステロイドを使うと止めることが難しい上に、必ずステロイドが知らぬ間に効かなくなり、リバウンドを起こし呼吸困難で死ぬ危険が増えることが認識され、できるかぎりステロイドは喘息の治療には用いられなくなりつつあります。
しかし現代医学は根本治療を可能にする方法を見つけていません。
漢方煎剤を用いることによってステロイドを断ち切り、ステロイドのリバウンド現象も乗り越えることができます。
さらに現代医学の治療により、体内でIgE抗体を一時的に産生したり使用することを抑制すると薬が切れたときに必ず禁断症状(薬の効果が切れたときの症状)が出現し、IgE抗体がさらに増産され体内を駆け巡り他のアレルギ-であるアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎・結膜炎をも引き起こしてしまうこともあるわけです。
気管支喘息の治療で喘息は良くなったがアトピーが出現するということはしばしば見られる事ですが、私のアレルギー性気管支喘息の根治治療はIgE抗体を自然消滅させるわけですから、他の全てのアレルギーも完治させてしまうのです。
気管支喘息はアトピーと同じアレルギーでありながら、喘息の民間療法が皆無であるのは自然後天的免疫寛容に至るまでに死ぬ危険が常に伴い、民間療法では絶対に責任が持てないからです。
しかし私は、アトピーも喘息も同じ原理で責任を持って根治することができるのです。