・出典:化学物質問題市民研究会
・職業環境医学誌(JOEM) 2018年3月
多種化学物質過敏症の全国的な広がりと影響
(アブストラクト)
アン・スタイネマン PhD(メルボルン大学)
情報源:Journal of Occupational and Environmental Medicine (JOEM), March 2018
National Prevalence and Effects of Multiple Chemical Sensitivities
By Steinemann, Anne, PhD
https://journals.lww.com/joem/Fulltext/2018/03000/
National_Prevalence_and_Effects_of_Multiple.17.aspx
訳:安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2018年5月21日
更新日:2018年7月29日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/JOEM/180300_JOEM_
National_Prevalence_and_Effects_of_Multiple_Chemical_Sensitivities.html
目的:本研究の主目的は多種化学物質過敏症(MCS)の広がり、喘息と香料への過敏の共起、及び香料入り消費者製品への暴露による影響を評価することであった。
方法:米国の代表的成人の横断的集団ベースのサンプル(n = 1137)が2016年6月に調査された。
結果: 集団の中で12.8%が MCS であると医学的に診断されたと報告し、25.9%が化学物質に過敏であると報告している。
MCS の人々のうち 86.2%が香料入り消費者製品に暴露した時に偏頭痛のような健康問題を経験しており;71.0%が喘息になり;70.3% が空気清浄機のような香料入り製品を使用しいている場所に近づくことができず;60.7%が職場の香料入り製品のために過去1年間に休職又は失職をしていた。
結論:過去10年間に、診断された多種化学物質過敏症(MCS)の広がりは 300%以上、化学物質に過敏であるとの自己申告は200%以上増大した。香料入り製品への暴露を低減することが有害な健康及び社会的影響を低減することに役立つであろう。