よくある化学製品がオーストラリア人を病気にしていることを研究が発見 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:化学物質問題市民研究会

・Medical Xpress 2018年7月2日
よくある化学製品がオーストラリア人を病気にしていることを研究が発見

情報源:Medical Xpress, July 2, 2018
Common chemical products making Australians sick, study finds
https://medicalxpress.com/news/2018-07-common-chemical-products-australians-sick.html

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2018年7月5日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/sick_school/cs_kaigai/Australia/
180702_Common_chemical_products_making_Australians_sick_study_finds.html
 新たな研究が、よくある化学製品への暴露により健康被害を受けて、オーストラリア人のほとんど 5人に1人(18.9%)が化学物質過敏(chemical sensitivity)であると申告し、そのうち 3分の1(6.5%)以上が多種化学物質過敏症(MCS)の医学的診断を受けていたことを明らかにした。

 その研究は、メルボルン大学工学部門の土木工学部教授で、”持続可能な都市”の議長であるアン・スタイネマンの下に実施され、医学誌”Preventive Medicine Reports(予防医学報告)”に発表された(訳注1)。 

スタイネマン教授は、環境汚染物質、大気汚染、及び健康影響に関する国際的な専門家である。

 ”多種化学物質過敏症(MCS)は、農薬、溶剤、新建材、香料添加品のような石油化学物質由来の製品への暴露により引き起こされ、悪化する深刻な病気である”と、スタイネマン教授は述べた。

 たとえ低レベルの暴露であっても、偏頭痛、呼吸困難、認知障害、喘息発作のような広範な有製品害健康影響を及ぼすことができる”。

 オンライン調査を用いた全国無作為抽出による 1098 人に関する研究が、多種化学物質過敏症(MCS)はオーストラリア全土に広がっており、全国で推定100万の成人が罹患し、さらに 200万人が化学物質過敏(CS)の影響を受けていることを発見した。

 同調査はまた、 MCS の人々のうち 74.6 %はぜんそくと診断され、 MCS 患者の 91.5 %は、空気洗浄装置、脱臭装置、洗濯用品、ろうそく、清掃用品、身体手入れ用品のような香料入り製品からの健康問題を報告している。

  MCS 患者の 55.4 %については、重度の健康状態のため何もできない。

さらに 52.1 %の MCS 患者は、職場における香料入り製品による体調不良のために過去1年間に休業又は失職した。

 これらの結果は、スタイネマン教授によるアメリカ人に関する以前の研究、すなわち’アメリカ人の 4人に1人は化学物質過敏に苦しんでおり、日々の化学物質汚染への暴露低減を呼びかける’研究の結果に酷似している(訳注2)。

 ”オーストラリアはまだアメリカと同じようなレベルではないが、我々は同じ汚染経路をたどっているように見える”とスタイネマン教授は述べた。

 スタイネマン教授は無香料製品の選択と、職場、医療機関施設、学校及びその他の屋内環境における無香料方針の実施を推奨している。

 ”MCS 患者にとって問題がある製品はまた、空気汚染の主要源である。これらの製品の使用と暴露を削減することは、あなた自身及び他の人々の健康だけでなく、環境にも有益である”と、彼女は述べた。

さらなる情報:
Explore further: One in four Americans suffer when exposed to common chemicals 
Anne Steinemann. Prevalence and effects of multiple chemical sensitivities in Australia, Preventive Medicine Reports (2018). DOI: 10.1016/j.pmedr.2018.03.007