においと化学物質 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・講演①
においと化学物質
元国立環境研究所・東京理科大理工学部 安原昭夫 氏 (報告者=理事・橘高真佐美)
においの原因と嗅覚
 嗅覚は他の五感と違って、感覚信号が直接大脳に送られる。

色や音は物理刺激で、波長や振動数で識別される。

これに対して味は化学物質刺激である。

色には三原色(シアン・マゼンタ・イエロー)、味には四原味(甘味・苦味・塩味・酸味)がある。
では、においはどうだろうか。

においは味と同じく化学物質刺激である。

人間や犬などの哺乳動物は鼻に嗅覚があるので揮発性の化学物質がにおいの原因となる。

魚類にも嗅覚があり、この場合は水溶性の化学物質がにおいを発現する。

 

人間におけるにおいを感じる仕組みは以下のとおりである。
1.揮発性のにおい分子が嗅覚上皮に触れてとけ込み、嗅細胞に達する
2.複数の嗅細胞からの信号が嗅球体を経て大脳の嗅皮質に送られる
 

人間は、どのようにしてにおいを識別するのだろうか。

アムーアの立体構造説では、しょうのう臭、エーテル臭、ハッカ臭、じゃこう臭、花臭、刺激臭、腐敗臭の7つの原香があり、はじめの5種類は立体構造で決まり、刺激臭はプラスの電荷、腐敗臭はマイナスの電荷で決まる。

しかしながら、においを7種類に分類するのが合理的なのかという批判があった。

その後、アクセルとバックは、においの受容体を作る遺伝子の特定をし、2004年にノーベル医学生理学賞を受賞した。

人間が持つにおい受容体の数(遺伝子の数)は400~500種類であるが、一つのにおい分子は複数のにおい受容体に反応することから、約1万種類のにおいを識別することができる。ただし、においの強度などについては、まだ説明がされていない。