実施した企業の一つ、結婚式場運営のエスクリ(東京都港区)は、ニオイに気を遣ってきた企業だ。
社員に支給するスーツは速乾性・消臭機能に優れ、丸洗いできる素材にする、仕事の際も消臭剤を駆使し、スタッフが互いに「ニオイ、大丈夫?」と確認しながら業務に当たるなどしてきたが、根本的な対策を知ろうとセミナーを実施したという。
メガネ販売チェーンのオンデーズ(東京都港区)は、もっと徹底したニオイ対策をしている。
スタッフがメガネの調整などで客の顔に近づくことが多いため、服装規定に「ニオイへの配慮」を設け、「香水の禁止(制汗剤・汗拭きシートは可)」「昼食後の歯みがき」などを具体的に指示。
社内の「フロアスタッフ検定」の筆記試験にもこうしたニオイ対策などを出題している。
さらに昨年7月、全社員に「休憩時間も含む勤務時間中の全面禁煙」を義務づけた。
タバコ臭さを好まない顧客が多いからで、喫煙社員には反対が強かったが、経営トップが率先実行するから、と説き伏せた。
ただ、これらの企業は、消臭剤などの人工的なニオイを嫌う人が少なくないことと、消臭剤などが“香害”の原因物質を放散していることに関心を払っていない。
消臭・芳香剤などの使用をやめることこそ、真の顧客サービスだとの意見も強い。
体臭を数値化する新商品も
ニオイチェック・ロボットも登場
「体臭気にし過ぎ」時代ならではの新商品も登場している。
コニカミノルタが昨年、売り出した「クンクン ボディ」は、スマホの専用アプリを立ち上げ、頭・耳の後ろ・脇・足から測りたいポイントを選択。
そこにスマホを近づけると、汗臭・ミドル脂臭・加齢臭の強さを10段階で示してくれる。
バッグやポケットに入れて持ち歩け、更衣室やトイレでもすぐにチェックできる。
ベンチャー企業のネクスト・テクノロジー(北九州市)は昨年の「2017国際ロボット展」に、犬型ロボット「はなちゃん」を出展した。
鼻の先にガスセンサーがついていて、ユーザーが靴下のニオイを嗅がせると、いい匂いなら「すり寄り」、可もなく不可もなければ「ワンワン吠え」、ニオう場合は「ゆっくり崩れ落ちる」。