3:化学物質問題を考える:環境汚染の歴史 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・安全な茶は、ろ過したお茶
 
とても興味?をそそられたことは、茶の浸出液(私たちが飲む茶碗に注いだお茶のこと)を、そのまま分析したのではなく、ろ過してから分析したことです(*)。

普通はお茶をろ過してから飲むなどということはしません。

ダイオキシン類は水に溶けにくく、粒状の固体物質(お茶の中にも浮いている)に付着して可能性が高いため、国や埼玉県が採用したお茶の分析法は、ダイオキシン類濃度を低く見せるために意図的に採用したのではないかという疑惑さえ浮かび上がってきます。
環境庁・厚生省・農林水産省埼玉県所沢市を中心とする野菜及び茶のダイオキシン類等実態調査結果について, 環境庁報道発表資料 (1999)
 
静岡県でも茶を分析し安全宣言を出しています。

静岡県でも茶の浸出液を濾過してから分析しています。
静岡県農林水産部、茶のダイオキシン類緊急調査の結果について、(1999)。
 

 
デジャヴェ
 
今から10年ほど前、魚からダイオキシンが検出されました。

その時、「許容量100 pg/kg」を根拠に環境庁は安全宣言を出しました。
 
厚生省の基準は少し前まではその10分の1の10 pg/kgでした。

WHOの専門家会議は昨年(1998年)耐容摂取量として1~4 pg/kg/日を提案しています(*)。

ダイオキシンの毒性が分かるにつれ、耐容摂取量も変化しています。

人々の健康を守るためには、軽々しい安全宣言は慎んだ方が良いのではないでしょうか。
WHO European Centre for Environment and Health & Inter-national Programme on Chemical Safety, Assessment of the health risk of dioxins: re-evaluation of the Tolerable Daily Intake (TDI), 1998.
 
 
現在のダイオキシンレベルの影響
 
WHO専門家会議の勧告で重要なことは、現在の特別に汚染されていない場合のレベル(バックグランド)で、先進諸国の一般人に微妙な(subtle)影響がすでに出ていること、実現できる最低レベルに被曝を削減することを勧告していることです
 
 
日本はWHO勧告上限を採用
 
残念ながら、日本ではWHO勧告の上限である4 pg/kg/日を採用してしまいました。
 
 
新しい毒物学の発展
 
毒物学の最近の分野では、発癌や中毒以外に、免疫系や神経系、さらに行動や学習といった面で研究が進みつつあります。
 
 
発達異常
 
鉛やマンガンと行動や知能との関係、PCBやDDTとの行動学的な発達の関連などの解明が現在進行中です。
 
農薬や重金属・工業用化学物質などについて一部の人のみが不安を訴えてきたことの中にも、解明が進むにつれて危険であることが分かってきたことがたくさんあります。
 
私たちは、冒頭に書いた予防原則の適用を押し進め、現在を生きている私たちや子どもたち、そして未来の子どもたちを守り続ける必要があります。
 
一部には予防原則を揶揄するような表現をしているHPがありますが、環境からの影響によって、癌やアレルギー・MCS(実体の解明はまだですが)などで苦しんでいる人が多数あり、また世界中で微妙な健康への影響が現れていることを考えると、私たちが現在の生活様式を無頓着に続けることは許されません。