2:化学物質問題を考える:環境汚染の歴史 | 化学物質過敏症 runのブログ

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農薬
 
戦後になるとホリドール*や有機塩素系農薬が多用されるようになりました。

最初に規制されたホリドールは猛毒で、数十人の中毒死者が続出した後、ようやく禁止されました。残留性のある有機塩素系殺虫剤のDDTやBHCなども母乳から検出されたり、レーチェル・カーソンの名著『沈黙の春』(あるいは『生と死の妙薬』)」が出版されたことにより世界中が注目し、その後ようやく規制されるようになりました。
*ホリドール(メチルパラチオン)は強力な毒性を持つ有機燐剤。

日本では現在使われていない。
 
ダイオキシン汚染問題
 
焼却場からのダイオキシン
 
1997年、厚生省が焼却場排煙中のダイオキシン濃度を公表してから(3)、急にダイオキシン問題に多くの人々が注目するようになりました。

しかし、ダイオキシン汚染問題は最近始まったものではありません。
厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課(1997)ごみ焼却施設排ガス中のダイオキシン類濃度について、平成9年4月11日。http://www.mhw.go.jp/houdou/0904/h0411-1.html
 
 
除草剤とダイオキシン
 
ベトナムの住民や米国軍人に多くの被害者を出したダイオキシンを含む枯葉剤2,4,5-Tや2,4-Dのような農薬も、日本で除草剤として使用されていました。

林野庁では森林で除草剤として使用し、余った除草剤を水源地帯に埋めたため、大きな問題になりました。現在でも埋めた除草剤が漏れだし、ダイオキシン汚染を引き起こすのではないかと心配され、最近の国会でも取り上げられています。
 

 
水田除草剤とダイオキシン
 
日本では除草剤としてPCPやCNPが大量に長期間使われてきました。

中西(1998)によると、使用したPCPに含まれていたダイオキシン量は400 kg、CNPでは190 kgにのぼっています。

この量はベトナム戦争で散布された除草剤中のダイオキシンの推定量300 kgと比較すると大きな量です。

PCPは比較的早期に使用が中止されましたが、CNPが使われなくなったのはつい最近です。PCPやCNPのため、今日まで水田土壌はダイオキシンで汚染され続けており、また東京湾などの海域や魚介類の汚染の主な原因になっています。
 
 
魚のダイオキシン汚染と焼却灰のダイオキシン
 
今から10年ほど前には魚からダイオキシンが検出され、焼却工場の飛灰(じん灰、フライアッシュ)からも検出されました。

ダイオキシン問題はそのころから警告されていましたが、多くの人々が注目し、行動するまでは至りませんでした。
 
 
ホルモンかく乱物質
 
最近では環境中の化学物質が、人や動物のホルモンの働きに影響を与え、癌や生殖機能異常・行動異常を引き起こしていると疑われているホルモンかく乱物質の問題が大きく取り上げられるようになってきました。

これらのことは10年近く前から諸外国の科学者が問題として取り上げていました。
 
 
安全宣言とは?
 
最近(1999年)になって、埼玉県所沢市の野菜と茶のダイオキシン汚染が問題になりました。

この事件で埼玉県の対応は、行政機関では珍しいほど素早いものでした。環境庁や厚生省・農林水産省の対応も同じように素早く、茶を含む農作物の安全宣言を出しました。