除草剤:トリフルラリン | 化学物質過敏症 runのブログ

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出典:私たちと子どもたちの未来のために

・除草剤:トリフルラリン
トリフルラリン
 
別名 trifluralin
商品名:STトレファノサイド乳剤、トレファノサイド乳剤、武田トレファノサイド乳剤、トレファノサイド粒剤2.5、コンボラル(トリフルラリン・ペンディメタリン粉粒剤)、ACCコンボラル(トリフルラリン・ペンディメタリン粉粒剤)、DASコンボラル(トリフルラリン・ペンディメタリン粉粒剤)
系統:ジニトロアニリン系除草剤
作用機構: 細胞分裂時の紡錘糸形成を阻害すると思われる3。
 
毒性
 
急性毒性
致死量 経口 ラット >5000 mg/kg4
ラット >2000 mg/kg4
吸入 ラット >4.66 mg/L4
眼刺激 ウサギ 弱い4
皮膚刺激 ウサギ なし4
皮膚感作 ウサギ 感作物質4
急性遅延性神経毒性 ニワトリ(レグホン) >5000 mg/kg4
 
短期暴露
眼を刺激する。1
 
長期または反復暴露
 
ビーグル犬に1年間トリフルラリンを 0、0.75、2.4、40 mg/kg/日の量を経口投与した。

NOELは2.4 mg/kg/日、LOELは40 mg/kg/日と、体重や赤血球、ヘモグロビンレベルの減少および血小板やメトヘモグロビン、コレステロール、トリグリセリドのレベルや肝重量増加から推定された4。
 
別の実験でビーグル犬にトリフルラリンを0、30、150、750 ppmを餌に混ぜ1年間経口投与した。 NOELは30 ppm(0.75 mg/kg/日)、LOELは150 ppm (3.75 mg/kg/日)と、肝重量とメトヘモグロビン増加から推定された4。

多量投与では体重増加現象や赤血球減少、メトヘモグロビン増加、血清脂質やトリグリセリド、コレステロール増加が見られた4。
 
 
内分泌系への影響
 
トリフルラリンは内分泌系に影響を及ぼす。
 
雌ヒツジにトリフルラリン (17.5 mg/ kg)を週2回消化管内に経口投与した場合、血清コルチゾール濃度はトリフルラリンとクロルピリホスにより増加した。

血清インシュリン濃度はトリフルラリンを投与して雌ヒツジで顕著に増加し、エストラジオール血清濃度もトリフルラリン投与した雌ヒツジで有意に増加した。LHの平均血清濃度はトリフルラリンにより顕著に減少した2。
 
変異原性
 
植物で変異原性が確認されているが3、動物では変異原性は証明されていない4。
 
 
発がん性
 
Fischer 344 ラットに0、813、3250、6500 ppmのトリフルラリンを混ぜた餌を2年間投与した。

最も多量 (325 mg/kg/day)に投与した場合、雌で悪性および良性の膀胱がんの有意な増加が見られた。

雄では全投与群で腎盂にがん発生の増加が見られた。

その他に甲状腺濾胞細胞腫瘍(腺腫とがん腫との合計)の増加が雄ラットで見られた4。
 
他のSprague Dawley ラットやOsborne-Mendelラット、Wistarラットで行われた研究では発がん性が認められていない4。
 
マウスの研究では発がん性は確認されていない4。
 
以上の結果からU.S. EPAはトリフルラリンをグループC、人間に発がん性がある可能性が高い物質と分類した4。
 
国際がん研究機関 IARCはトリフルラリンをグループ3、ヒトに対する発がん性が分類できない物質と分類している5。
 
 
食品汚染
 
・2009年に福島県JA伊達みらいが出荷したシュンギクから基準の5倍のトリフルラリンが検出された。ほとんどが販売済みだったと見られている7。
 
・ ベトナムで養殖され、中国の工場で切り身に加工さたバサから基準の120倍のトリフルラリンが検出された6。