・出典:ダイオキシン・環境ホルモン国民会議
・砂糖の摂りすぎに注意!―アメリカで「添加糖類」の栄養成分表示始まる
事務局・ジャーナリスト 植田武智
「添加糖類」はエンプティーカロリー
砂糖などの糖類の摂りすぎを注意するための栄養成分表示が、アメリカで始まろうとしています。
20年ぶりの改正となるアメリカの栄養成分表示基準が2016年5月に決定し、その運用指針案が、2017年1月19日に発表されました。
その中で加工食品への「添加糖類」の表示例が示されました。
糖類は、体内でエネルギー源として使われる栄養素ですが、長期的に摂りすぎると肥満や糖尿病などの生活習慣病の原因となります。
栄養素としては炭水化物の一部ですが、その中でも糖類とは、甘みのあるブドウ糖や果糖(単糖類)と砂糖など(二糖類)を指します。
果物などの生鮮食品にも糖類は含まれますが、生鮮食品にはビタミンなどの様々な栄養成分も含まれているため摂取のメリットがあります。
一方で、加工食品に人工的に添加される「添加糖類」は、他の栄養素を含まない「エンプティーカロリー」とみなされるため、積極的に減らすべきと考えられます。
糖類の摂りすぎで心疾患の死亡リスク増
食事からの総摂取カロリーの内、添加糖類の割合が10%未満の人たちと比べて、10~25%の人たちは心疾患による死亡率が1.3倍に増え、25%以上の人たちは3倍に増えたという調査結果も出ています。
2015年に改訂されたアメリカの食事ガイドラインでは、添加糖類の摂取量を1日の総摂取カロリーの10%未満としました。
平均的な成人の1日の摂取カロリーを2000kcalとすると、砂糖では50g 未満となります。
世界保健機関(WHO)やアメリカ心臓協会は、さらに厳しく、総カロリーの5%未満(25g 未満)がより望ましいとしています。
そこで栄養成分表示でも、添加糖類の量が分かるように変更されました。
食品表示の中では、炭水化物や天然分も含む糖類総量の表示の下に、「××g の添加された糖類を含む」と表示されます。その量が1日の上限値(50g)の何%にあたるかも表示されます。
コカコーラ500ml 1本で上限値を超える
一方日本の栄養成分表示はどうなっているのでしょう。
日本では砂糖などの糖類も、白米などに含まれるでんぷん(多糖類)もすべて炭水化物としてまとめて表示されています。
糖類の摂りすぎに気をつけようという人には大変分かりづらい表示です。
例えば日本のコカコーラの表示では、炭水化物の量は100mlあたり11.3gと書いてあります。
すべての炭水化物が添加糖類だとすると、500ml缶1本で56.5gとなり、アメリカの1日分の上限値を超えることになります。
添加糖類に表示義務を課すことにより、消費者の商品選択の目安となるだけでなく、食品事業者に対しては、糖類の添加を減らす動機づけにもなることが期待されます。
日本でも加工食品の添加糖類が表示されるように求めていきたいものです。
runより:以前は100ml中5㎉以下なら「ゼロカロリー」と表示されたいたのですが今はメーカーが自主的に0カロリーでないと「××ゼロ」と書かない様にしてますね。
もちろん化学物質だらけですけど( ̄_ ̄ i)