13:ルノー先生講演 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・7.医学的分析
体内の解毒システムの経路は、主に二つある。まずフェーズ1では、チトクローム P450酵素による水酸化反応が起こる。

異物がこの段階で攻撃され、それが活性化した中間生成物になる。

ここでは多くの抗酸化物質が必要になる。

つまり、 家でごみが出ると、ごみをポリ袋か何かに入れるが、それがすなわちフェーズ1だ。

このポリ袋を運ぶのがフェーズ2だ。

フェーズ2では包合反応が起こり、化 学物質が水溶性化合物に変換され、腎臓を通して体外に排出される。

私たちが肝機能の検査を行い、フェーズ2の抱合反応があまり良くない場合、この患 者は化学物質に曝露された時に十分なスピードで解毒できないことが分かる。

私たちが具体的に測定しているのは、以下のような様々な代謝産物、つまり有機酸 だ。

①メチルマロン酸=ビタミンB12マーカー

②ホルムイミノグルタミン酸塩=葉酸マーカー

③パラヒドロキシフェニル乳酸塩=酸化促進剤/発がん物質

④高濃度の硫酸塩=解毒作用の昂進、又は酸化ストレス

私たちの体内では、ホルモンなどによって物質を変換していく。

物質A、たとえばア ミノ酸が体内に入り、ビタミンやミネラルなどの栄養素を使って物質Bに変え、さらに栄養素を使ってCに変え、さらに最終物のDになる。
しかし、たとえば、酵素、ミネラル、またはビタミンの欠乏によって、この経路が途 中で阻害されると、体は必要なD、たとえばタンパクを作ることができず、物質Bが尿中に出てしまう。

このBのような中間代謝産物を私たちは測定する。

ある患者の尿検査で、図の通りのものが検出された。「栄養素マーカー」欄に記載さ れた全部が中間代謝産物であり、これら全部が検出されないことが望ましいのだ。

この患者の場合はエネルギー産生マーカーなどに問題があり、CoQ10や葉 酸が必要だ。

生化学研究において過去数年で最も盛んな分野は、生化学的疾病の媒介因 子の特定と個別化である。

図で紹介した、独自に編み出したオーガニクス総合分析(特許出願中)によって、患者個人に合わせた、より効果的な治療が可能にな る。

MCS患者は、エネルギー生産欠乏(ATP:アデノシン三リン酸)をもたらすミト コンドリア障害の兆候を示すことが多い。

体は解毒のためにエネルギーの8割を必要とするため、ミトコンドリア障害は解毒機能の低下と直接的に結び付く。

グ ルタチオンやαリポ酸、CoQ10 といった物質は、ミトコンドリアの働きを助けることで解毒能力を高める。

ビタミンB12は、神経細胞の増殖、成熟、および新生のために重要な栄養素だ。し かし、鉛や水銀のような重金属はメチルビタミンB12の生成を阻害する。

元素の中には、細胞に蓄積し毒性効果をもたらすものもある。毒性重金属は健康への 深刻な懸念となっている。

鉛やカドミウム、水銀、ヒ素などは、とりわけ子供の脳や神経システムに深刻なダメージを与える恐れがある。

毒物は様々なメカニズ ムによって多くの悪影響を引き起こす。

そのメカニズムの一つとして、鉛や水銀はグルタチオンを減少させ、メチルビタミンB12欠乏症を起こす。