・農薬の利用タイミング
きのこに農薬、というとピンと来ない方も多いのではないでしょうか。
確かに本来きのこは農薬がなくても、他の野菜などと比べて格段に育てやすいので、そのようなイメージになっても仕方がありません。
実際しいたけの場合、しいたけそのものに対して農薬を噴霧する必要はない、と言われています。
しかしキノコ類というのは元々微生物ですから、原木に接種し栽培する際、雑菌に生育競争で負けてしまうこともあります。
自然界では負けてしまえば終わりとなりますが、食品として出荷しなければならない場合、雑菌にやられて終わり・・・というワケにはいきません。
そこで雑菌繁殖の恐れがある時に、農薬が使用されることになります。
原木しいたけ栽培の場合はベノミル剤とチアベンダゾール剤と呼ばれる2種類が主に使用される農薬であるということですが、これらはしいたけの繁殖を妨害する菌から防除するために利用されます。
菌床栽培においても「農薬を使わない」と思われる方が多いようですが、種類に応じて、上記の薬剤が使用されるケースもあります。
各農薬企業のホームーページを見てみると良いでしょう。
ご確認いただけたら、スーパーで扱われる一般的な市販のきのこが「無農薬である」と言い切ることはできないと思うことでしょう。
しいたけ、えのき茸、なめこ、ヒラタケ、それ以外のきのこも同様です。
海外では禁止の薬品が使われた商品がまだ出回っている、残念な実態
EUやアメリカでも禁止が進む、ベノミル剤とチアベンダゾール剤とは
しかしここで利用されるベノミル剤とチアベンダゾール剤の危険性について少々疑問が生じます。
使用されている薬剤は、過去に訴えられて敗訴したこともある危険な薬剤
まずベノミル剤は、農薬としてはメジャーな存在です。
柑橘類においては防腐剤としても利用されている農薬です。
ベノミル系の薬剤は、なんと、過去にアメリカやイギリスで眼に異常のある子供がいる家族から訴えられた結果、敗訴したという恐ろしい薬剤なのです。
ベノミルの使用による胎児の先天性異常や薬害による訴訟が相次いだオーストラリアでは、政府がその毒性について検証、使用の支持はできないと言っています。
オーガニック先進国とも言われるEUやアメリカでも使用禁止です。
このように、海外ではすでに禁止する国も増えている中、日本では未だにこちらが使われた食材が出回っている、非常に不可解な事実があります。
>ベノミル剤について
デュポン社が開発した殺菌剤で、日本では1971年4月21日に農薬登録を受けた。
1999年の実績では、日本は原体29トン・製剤243トンを輸入している。
商品名は「ベンレート」など。
リンゴ・ナシ・ブドウのうどんこ病や黒星病、柑橘類のそうか病、テンサイの褐斑病、稲の種子病に有効で、種子・球根の消毒や、ミカンの青カビなど貯蔵時の病害防除にも用いられる。
不燃性であるが、加熱により分解し、窒素酸化物を含む有毒なフュームを生じる。
土壌中でカルベンダジムとイソシアン酸ブチルに加水分解し、前者は3ヶ月~2年ほど残留する。水生生物に対する毒性が強く、土壌中の共益微生物にも悪影響を与えるため時として植物の生育を妨げることもある。
アメリカやイギリスでは、眼に先天性障害を持つ子どもの家族が、ベノミルが原因だとしてデュポン社を相手に訴えを起こし、デュポン社が敗訴している。
これを受け、デュポン社では2002年に製造を打ち切ったが、日本国内では農家や園芸家に高く支持されてきていた為、本剤の商標並びに日本国内でも販売されるようになった。
Wikipediaより引用。