6:平成16年度本態性多種化学物質過敏状態の調査研究 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・3) 平成15年度症例の曝露検査結果:まとめ   
  昨年度における混合負荷曝露前後の自覚症状の解析では、9名中、プラセボ負荷では、負荷前後における自覚症状スコアの有意な差が認められず、曝露 1回目、曝露2回目のみで、自覚症状スコアの有意な差が認められる「Type1」に相当するのは、症例5の1名のみであった。

また、プラセボ負荷では、負荷前後における自覚症状スコアの有意な差が認められず、曝露1回目あるいは曝露2回目のどちらかで、自覚症状スコアの有意な差が認められる、いわば「不 完全なType 1」が、症例1、症例2、症例9の3名、プラセボ負荷のみで、自 覚症状スコアの有意な差が認められる「Type 4」に相当したものは、症例7、症例8の2名、症例3、症例4、症例6については、いずれの負荷においても 自う覚症状スコアに有意な差が認められない「Type 3」に相当した。よって、 プラセボ負荷においては、症状の出現・悪化は認めないが、混合負荷においてのみ自覚症状の出現・悪化が認められた症例が存在したものの(曝露1回目・曝露2回目の再現性に乏しい不完全な症例も含めて)、日常的に化学物質に対し て過敏性を有すると自覚している被験者の特徴を捉えるのに、平成14年度まで施行したホルムアルデヒド単独負荷と比較して、ホルムアルデヒド+トルエン 混合負荷が、より有利であるという結果を得ることは出来なかった。 
即ち、日常的に化学物質に対して過敏性を有すると自覚している多種多様な愁訴を呈する集団から、それらの愁訴が、微量化学曝露がどの程度関与しているかについて、高い信頼性をもって評価するのは、曝露負荷前後における自覚症状の比較のみでは、困難であるとことを昨年度の結果は示していると判断で きた。