6:2013年学校等における香料自粛に関する要望 | 化学物質過敏症 runのブログ

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今の香りの強い柔軟剤ブームの火付け役となったのは米国製柔軟剤ですが 7), 32)、米国で も着香製品による健康被害が深刻化し、各地で香料自粛の取り組みが拡がっており、自治 体によっては香料禁止方針や職員の香料自粛の行動指針を示しています 33)。

また、カナダ のノバスコシア州の州都ハリファックス地域都市は無香料の啓発プログラムを実施、2000 年には「香料不使用の方針(No Scent Policy)」を市の職場から自治体施設の公共スペースに 拡大することを評議会で承認して、法による規制ではないものの公共施設での香料不使用 の取り組みを自治体として奨励しており 34), 35), 38)、施設のホームページでも着香製品不使用 のお願いや香料の問題に関する啓発がされています 36), 38)。

学校や図書館、バスでの着香製 品の自粛など、この動きはノバスコシア州にも拡がっているそうです 37), 38)。
 日本で先進的に取り組んだのは岐阜市です。

「香料自粛のお願いポスター」を全市的に 掲示して呼びかけるキャンペーンを始めたのが 2005 年で 32), 38)、その後 2008 年から 2009 年 頃に、岐阜市のポスター40)や公共の場での香料自粛を初めて呼びかけた水郷水都全国会議 での掲示ポスター41)の文面等を参考に、各地の自治体で独自のポスターが作られ、ホーム ページで呼びかけたり、各地の学校や病院、公共施設等でポスターを掲示したりする動き が拡がりました 8)。 
 岐阜市や岐阜県は、香料の影響はすべての子どもたちの健康に関わる問題ととらえて、 過敏症の子どもが在籍している学校だけでなく、各施設や各学校にポスターを掲示するよ う通知を出しています。 
 しかし、多くの自治体では、基準となるポスターをHPにアップして掲示を勧めていて も通知発出の対応はほとんどなく、掲示は各施設の判断に任されています。

また、ポスタ ーの掲示だけでは改善されないという実態もあり、香料の健康影響についての学校関係者 の認識を深めるための啓発や、学校等における香料自粛を進めるための他の啓発方法等の 工夫が必要で、また、化学物質に過敏な児童生徒等にいじめ等の二次被害が生じないよう にする配慮も必要です。 
 学校の判断で、香料自粛のお願いのポスターを玄関や校舎内、行事の際の立て看板に掲 示したり、行事の案内文書に、香水や整髪料等アレルギー反応を引き起こす恐れのある製 品の使用を控えるようお願い文を掲載したりするなどの対応をしてくださる学校もありま す。

また、過敏症の児童生徒のためにと強調することで当該児童生徒が孤立したりするこ とのないよう、全生徒に、学校は、理由がある場合を除いて香粧品をつけてくる場所では なく、特に強い香りはふさわしくない等の説明をするなど配慮してくださる学校もありま す。

ただ、個別対応として、化学物質過敏症の児童生徒のいる学校だけが取り組んでいる だけでは、当該児童生徒が高校や大学への進学後、他の学校で香料使用が当然のこととし て過ごしてきた多数の生徒の中で個別配慮から香料自粛をお願いすることに非常に高いハ ードルが課せられてしまうという問題が生じます。

個別の配慮を求めることだけで問題に 対処することには限界があって、いじめや嫌がらせなど別の懸念も生じます。 

 学校での香料暴露に苦しむ子どもたちがいること、アレルギーや喘息、シックハウス症 候群のお子さんなど、いつ香料暴露により化学物質過敏症を発症するかわからない子ども たちもたくさんいること、香料が発達途上にある子どもたちに健康上の悪影響を与える可能性があることなどをまず先生方に知っていただきたいと思います。

先生方に模範となっ て香料をできるだけ控えていただき、児童生徒や保護者に向けてアドバイスをしていただ くことができたら、どんなに多くの子どもたちが救われることでしょう。

先生や職員の方 たちに学校等での香料自粛に率先して取り組んでいただけるように、基準や参考を示して いただけないでしょうか。