5:アメリカではトルエンジイソシアネートによる健康被害に対しての対策案がある | 化学物質過敏症 runのブログ

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Ⅵ.運命特性要約 
  加水分解は、ジイソシアネートの全体的環境運命と、移送と生物濃縮可能性を優先的に決定しているプロセスである。

商業的にいろいろなポリマーを形成するために、ジイソシアネートは、他の化学物質(すなわち多価アルコール)と室温で反応する。

データは、空気中湿気である水がTDIを加水分解してそのアミン、やはり危険を伴うトルエンジアミン(TDI)を形成することを示している。

表面の水の中での急速な加水分解は、寿命と環境中での生物濃縮を低下させるが(Yakabe et al.,1999)、湿度が低い条件下では、ジイソシアネートは相当の距離まで移動し、吸入されるのに十分に長い間安定である(EPA,2008b)。

その見かけの急速な反応時間にもかかわらず、通常空気中でのジイソシアネート蒸気とTDAが湿度とどう関係しているのかは不明確である。(Dyson&Hermann,1971)。

形成された加水分解生成物が刺激性で吸入暴露の可能性があるので、空気への放出は特に考慮すべきである。

 

Ⅶ. 暴露特性の要約 
職業的暴露 
 1996年には約280,000人のアメリカ合衆国の勤労者がジイソシアネートに暴露したと推定され(NIOSH,1996)ているが、現在では工業の成長と新しい応用で(Bello et al.,2007)この推定はもっと増えていると予想される。

OSHAは、許容暴露濃度を通してTDIに暴露している作業場に注目している(PELs)(付録2参照)。

PELsを超える暴露レベルで暴露される勤労者を減らすために、OSHAは、技術的な制御(例えばベンチレータ)や管理制御が解決できないか十分にレベルを引き下げるのに失敗したときには、PPEの使用を要求している。 

TDIがある全ての工業、商業、または組み立て作業で、TDIに暴露する可能性がある(DOW,2009)。

TDIの高い揮発性のために、製造と仕様の全ての段階で暴露が起こりうる(NTP,2005)。

ポリウレタン発泡材製造で(Ott et al.,2003)、特に発泡ラインのトンネル内や新しく切りだされた塊に密接に接触するところでの変動条件で(Cummings & Booth,2002)、TDIに関するOSHAのシーリングPELを超えた短期間の空気中濃度は、報告され続けている。

NIOSHの評価試験では個人および地域サンプリングの両方で、床仕上げによるTDIの暴露過多が文献に記されている(NIOSH,2004)。

もう一つのNIOSHの評価試験では、柔軟なポリウレタン発泡材作業者について、空気中のTDI濃度は勧告暴露限界より低かったが、作業者について呼吸器(TDI誘起気管支炎と喘息)、粘膜、および皮膚の問題が記され、それらの症状はTDI暴露の指標となっている(NIOSH,1998)。

進行性の職業喘息に影響されやすく過敏になった勤労者達は、8時間労働時間に対するTDIおよびMDI限界閾値(TLV)である5ppbの1%以下の濃度のイソシアネートモノマーであっても反応することがある。

TDIについては、NIOSHは暴露を可能な限り引き下げるように勧め(NIOSH,2005)、またACCIHは、変更意検討告示(NIC)によって、2,4-および2,6-トルエンジイソシアネートの2011年の閾値TLVsを今の閾値より引き下げることに注目している。数字は付録2を参照。 

自営業と小さな農園では硬化しないポリウレタン製品を使う時の危険性情報や払うべき適切な注意に気を付けていないだろう(Krone,2004)。

MUC製品の残りの利用の間の空気中暴露に関する一つの研究において、何等の防御用具も使わずに、ウレタン(MCU)床仕上げに硬化しているTDIを含む蒸気を作用させた作業者を観察した(ATSDR,2005)。 

EPAは、暴露を防ぐ話し合いを改善するのに重要ななことだが、多様な製品の硬化に要する時間について、異なった状況では不確かであり、例えば取り掛かる時間などのような、付け加えるべきデータが必要なことに気が付いた。 
さらにまた、OSHAとNIOSHが作業場空気濃度を推定する方法を開発している一方で、現行の方法が空気中濃度を低く推定しているので、打ち消す因子を使ったり、改良した分析方法の開発を推し進めたりしなければならない。

皮膚暴露検出の方法は、開発の初期の段階にある。

皮膚暴露と過敏性と硬化しないイソシアネート群の能力との結びつきの間にいくつかのデータのギャップがある(Strecher et al., 1998; Bellow et al.,2007)。

連邦において、イソシアネートモノマーのみが(例えばTDIとMDI)が注目されていたけれども、同様に反応性のイソシアネートを含む市販の費者製品に、同様なポリイソシアネートが広く使われている。

EPAは消費者暴露の可能性について十分認められた様子がないと考えている。

そしてOSHA以外は、MDI,TDIとその他のポリイソシアネートでの作業者に注目し、OSHAが職業場面で取り決めたものに要求しているのと同じような技術的制御、PPEや危険性情報の使用の対象にする必要があるだろうと考えている。 

消費者/一般市民の暴露 
消費者、脇の人、ビルの住人(子供を含む)、趣味の人、日曜大工たちはたぶん、何かの製品中の硬化しないTDIにさらされる。長年にわたってある種の消費者用製品中の、TDIがMDIに置き換わるようになってきた(ACC,2009)。

ある工業製品安全アセスメントは、硬化しないTDI製品は工業用用途にだけ向けられているといったが(Dow,2009)、しかしそれにもかかわらず、多くのそのような製品がインターネット上で配合者や販売者からずっと遠くの供給網を通して購入でき、それらを手引きした人に何らかの制限をしようとしても不明である。

職場の規則で保護され、またほとんどのケースでは危険情報に接しイソシアネートを使って働く訓練も受けている勤労者と違って、ほとんどの消費者はTDIを含む消費者用製品に危険があることに気が付かない。

結果として、不十分で不適当な危険の伝達が消費者の暴露を引き起こす。

もし消費者が危険に気付いたとしても、彼らは適切な注意を払わないであろう。 
直接使う消費者に豊富ではない情報があったとしても、多くの近くの人がTDI製品に暴露されることが、コンクリートの中庭の防水材からのTDIの発散(Kelly et al.,1999;Jarand et al.,2002)、TDIを含むウレタンを木の床に塗布した後のビルディング中の空気試料からのTDIの検出(NYC-DOHMH,2010)、などとの文献で見出される。

さらに、硬化しないTDIにさらされた後で特別な吸入チャレンジで、職業以外のTDI喘息が2つのケースで報告されている(De Zotti et al.,2000)。  

大人が受け取ると同じレベルのTDI蒸気にさらされた子供は、大きな肺表面積:体重の比率および精密な体積:重さの比がふえるために大人より多く飲み込む。

TDIの重さは空気より重いので床に接した層をなすだろう。

子供は化学製品で処理された表面に這い回り、座り込み、残りが付いているかもしれない玩具などで遊び、同じ部屋にいた大人よりも吸入する毒物が多い(ATSDR,2002)。

子供たちが体重:表面積の比が大きいために、皮膚を通して吸収する毒物の体積もより大きい。子供たちは彼らが降下しないTDI製品を使ったり傍にいたりすると、彼らは注意書きのラベルと安全注意書きを理解するには十分に発達していないし、暴露症状を体験しても活動をやめないので、より大きな暴露を受けるかもしれない。

さらにまた、子供たちはそこに長くいるかもしれないので、TDIなんぞの物質の暴露し方と暴露から受ける障害の説明の双方から見ても、彼らは長期間の暴露が一層深刻かもしれない(ATSDR,2001;ATSDR,2002;EPA,2008a)。喘息の子供は特に特に暴露で傷つきやすい;彼らは気道の炎症で狭くなるのに敏感であり、その結果として彼らの小さい呼吸器系に比較して大きな負担となる(NIH,2011;Transande & Thurston,2005)。 

ジイソシアネートで働く専門家のための多量な暴露データと対照的に、消費者と降下しないTDIを含む市販製品の使い方と暴露経過についての暴露データは少ししかない。

空気中でのTDI濃度特性についてのデータを加えることが必要である。応用技術、製品の成分、硬化しないTDIの可能性に関する測定方法などの広範な因子がどうなっているかわかっていない。

さらにまた、作業者のPEL(個人用保護具)は消費者の防御に十分でないので、存在している濃度を作業場での暴露限界濃度と比べることは適当ではない(Redlich,et al.,2006)。