3:アメリカではトルエンジイソシアネートによる健康被害に対しての対策案がある | 化学物質過敏症 runのブログ

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Ⅳ.用途と補充概要 
MDIとTDIは、製造量が多く、特にポリウレタン製造に多く使われている、最も大規模なジイソシアネートである。

2008年に合衆国は42.52億トンのTDIを要した(ACC,2009)。

市場にはいろいろなタイプのポリウレタン製品があり、発泡材が最大のポリウレタン工業での代表的な分野である。

発泡しないポリウレタンは塗料、接着剤、およびシール材としてTDIの一部を使用している。

しかしながらそれらの製品は、全体の製品量のごく一部分にすぎない。

ポリウレタンの発泡材は柔軟なものと硬いものとの2種がある。

柔軟な発泡材は主としてクッション(緩衝材)に使われ、一方固い発泡剤は主として断熱材に使われる。

TDI薬品は主に柔軟な発泡材に使われる。ほとんどのポリウレタン製品は、消費者に届く前に硬化されている。

しかしその他の塗料や接着剤やシール材などのポリウレタン製品は、ほとんどは硬化しない形で調合された混合物として販売、使用されている。

イソシアネートにさらされる仕事場に注目している研究者は、消費者によって使われているイソシアネート含有製品が増加していると記している。

またそれらの研究は、居住地でのイソシアネート暴露が、イソシアネート含有消費者製品の使用と同様に、工業的暴露からも引き起こされる可能性もあると記している。 

その危険性のため、製造会社は硬化しないTDIを工業的にのみ使用するようにと要求している(DOW,2009)。

一般にMDIなどの芳香族ジイソシアネートが、塗料や接着剤製品のTDIと置き換わろうとしている(Ott et al,2003)。2006年の最新商品カタログ集(IUR)のデータベースによると、TDI薬品は次のような消費者向け製品で使用されている。

すなわち接着剤とシール材、ペイントと被覆材、輸送製品、ゴムとプラスチック製品、木材と木製家具、および電気製品と電子製品である(EPA,2010)。

家庭用製品カタログでは、現在の硬化していないTDI製品として床のコンクリートのシール材を挙げている(NIH,2010)。

暴露研究に使われたその製品と床の塗料はまだ購入が可能で、その製品が専門家だけに使用を限っているのかどうか確かでない。

オンライン検索では、床の塗料とシール材は、一般の消費者が購入可能な硬化しないTDIを含む製品の主なタイプであるように見える。 
さらに、合成表面改質工業では、室内表面用と室外表面用のどちらにも、様々なポリウレタン成分を製品に配合して使っている(DOW,2011)。

ポリウレタン塗料は、専門家のためのコンクリート封止、防水壁面、床の仕上げ材に使われる。

“専門家使用向け”と呼ばれる製品はまた、消費者が購入して使うことができ、あるいは消費者がいる場所で使うこともある。ポリウレタンのシール材は、自動車分野で多様に利用され、最も多くは風よけ窓と横窓のガラス取付けに使われている。 

消費者による接着剤とシール材の使用は、2009年後半のこの分野の工業用展望に記されているところでは成長分野である。

この成長は、エネルギーを節約したい、あるいは自分の家を改造や修理する費用を節約したい家主の、日曜大工作業が増えることを反映していて、業者と消費者が普通に接着剤を使い続けることになる(Pianoforte,2009)。

発泡材スプレイ工業では、彼らの製品が日曜大工によって成長していることを認めて、最近は家主や専門家、特に日曜大工たちに向けて発泡材スプレイの使用法についてウェブサイトを立ち上げている(ACC,2010)。 

イソシアネートを代替することは、環境的にも経済的にも親切な方法として重要な挑戦である。

そして、従来のポリウレタンより安全な代替品になりうるイソシアネートを含まない新しいポリウレタンの品種が、2つの研究グループによって報告されている(Figovsky & Shapovalov,2006;Javni et al., 2010)。

他にもイソシアネートを含まない柔軟な発泡材料(Soudal,2010)と、乾燥しない食品中にイソシアネートが混入するのを防ぐことの出来る迅速硬化性の“イソシアネートを含まない”柔軟な食品包装接着剤が報告されている。

記事では、ホルムアルデヒド-ウレア接着剤に置き換わることを目指した大豆ベースの接着剤が、プレシデンタルグリーン賞を受けた(EPA,2009)、しかし大豆ベースの接着剤がポリウレタン接着剤の代替として十分かどうかはもっと研究が必要である。

然るべき代替えの研究と開発が直接製品の代用というゴールを目指した近道である一方で、既製のポリウレタン製品の危険性を知らせ安全な使用法を教育することで、安全に使用することに焦点を当てるのも重要である。