8:2005年3月 デンマークEPAの報告書多種化学物質過敏症 MCS | 化学物質過敏症 runのブログ

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・2.2.2 MCSの定義

 疾病の臨床的定義は通常、患者が言うことと医師による客観的な診察(健診)及び試験分析が見出したことの組み合わせである。

MCSに関連して客観的な変化は見出されない。

したがってMCSの定義はひとえに患者によってなされた観察に基づく。

それらは下記の基準からなる。
MCSは、以前には健康であると自覚していた人々に生じる。 
症状は、ある種の化学物質への曝露に対する反応として起こり、その化学物質が存在しなくなると症状も消える。 
患者は二つ以上の器官の症状を訴える。 
症状は、異なる無関係な複数の化学物質に曝露したために起こることがあり、異なる毒物機序により作用する。 
曝露の状況について記述することができ、その曝露が症状を引き起こす。 
症状を引き起こす曝露は非常に低レベルで問題となり、その濃度はほとんどの人々が健康の異変を自覚する平均的濃度よりもはるかに低い。 
他の病気の原因を疑う余地はない。 
 上記のリストはカレンの基準 (Cullen's (1987) criteria) に対応する。

これらは、ほとんどの国際的MCS学者に共通の理解としてまた、今後の研究を取組む上で受け入れられている。

基準についてのコメント:

 何人かの科学者によれば、MCSは最初の曝露の後に起きる。

この曝露は、化学物質への曝露、又は大人の深刻なウィルス感染の可能性もあるし、又はトラウマ的出来事の可能性もあり得る(Interagency, 1998; Graveling, 1999; Ashford & Miller, 1998)。

ある人たちは心因性トラウマが最初の引き金となり得ると主張している。この出来事がしばしば(心的)外傷後ストレス障害となり、この深刻な出来事に引き続く、多くの異なる種類の症状を伴う状態である。

ひとつの集団の中で、同じ化学物質に曝露してMCSの特徴を備える化学物質過敏症になる人はわずかであるということを強調することは重要である。

・2.2.3 MCS、経過

  MCSの状態は数年(2年以上)続く。

ほとんどの人は症状から逃れられない。

ある患者たちは症状が毎日出る。

他の人々はもう少しまれに、多分、一週間に一度くらい症状が出る。

少数の人々は化学物質過敏性がなくなることがあり、再び低濃度の化学物質の匂いに以前よりも耐えられるようになる。

 多くの患者たちは反応する化学物質の数が増大し、症状の数も時とともに増大する。