・また、 2 年毎にまとめた被害年数の分布を図 4 に、調査時の年代毎の被害年数を図 5 に示す。
被害年数は、2~4 年が多かったが、半数は 4 年より長かった。
また、被害年数が 5 年以上の 有訴者は、30代から 40 代は約 40%、50代では約50%であったが、60 代以上では 77.3%と多 くなり、10 年以上の人も 31.8%と比較的多いことがわかった。
回答した有訴者の 10%以上が行った改善のための工夫とその改善度を図 6 に示す。
「反応する製品 を廃棄・撤去した」、「引越しした・別の家に長期間滞在した」、「無農薬・減農薬野菜を食べるように した」等の回答をした有訴者が多かった。
また、改善度は製品撤去・居住場所変更、飲食物からの摂 取削減対策の工夫についてはほぼ半数以上が改善したと答えており、これらの工夫が比較的改善の度合いが高いことが示された。
一方、空気清浄機については、改善した有訴者もいるが、性能の良いも のを買わないとむしろ悪化する、という有訴者もいた。
また、換気をよくすることについては、洗濯 物、歩きタバコ、近所の建物の工事等で外気が汚れているときは逆効果である、との有訴者のコメン トもあった。
また、「マスクをつけた」と回答した有訴者のうち、半数以上(21 人)は「活性炭入りマ スクをつけた」と限定していた。
なお、「引越した・別の家に長期間滞在した」と回答した有訴者84人のうち、「自宅の塗装、新築・ 改築」、「自宅の白あり駆除・防除」、「室内での殺虫剤・殺菌剤・防虫剤の使用」、「自宅・隣・近隣地 域の庭・緑地での殺虫剤・除草剤等の散布」、「近隣の工場等からの排気ガス」といった、自宅および 近隣における化学物質が発症原因であると答えた有訴者が 59 人いた。
彼らは引越し・別の家に長期 間滞在することによって、33 人が改善した、18 人が少し改善した、5 人が改善しなかった、と答え ていた(3人は改善度について無回答)。
自宅および近隣における化学物質が発症原因であると答えた有 訴者の中で、引越しや別の家に長期間滞在した有訴者は、その86%が症状が改善した、あるいは少し 改善したと感じていることが示された。