「香料」に関する機関と規制11 | 化学物質過敏症 runのブログ

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3.2.欧米における規制
3.2.1.TSCA(Toxic Substances Control Act)
TSCAは米国における化学物質管理制度に関連する法律である。

化審法と同様に、有害な化学物質による人の健康や環境への悪影響を防止することが目的で、TSCAに関連する規則として、製造前届出規則、重要新規利用規則、製造前届出免除規則などがある。

届出の対象となるのは、既存化学物質リストであるTSCAインベントリーに収載されていない新規化学物質またはポリマーである。
3.2.2.EU指令67/548/EEC
欧州では、EUの新規化学物質届出制度に関する法律として、EU指令67/548/EEC(危険な物質の分類、包装、表示に関する指令)の第7次修正指令がある。

その既存物質リストは、EINECS、ELINCS、NLPである。EU加盟国は本指令に対応した法律を制定し新規化学物質等の規制を行っている。

EUにおいては新規化学物質および新規ポリマーは年間または累積の上市量に応じた届出が規定されている。
このうち、68分類のEUリスク警告(R)のなかで、43番目の「皮膚接触により感作を引き起こすことがある」リスクをあげられた一連の化合物群をR43という。

EU化粧品指令:76/768/EECの26アレルゲンリストよりも早くからの規制で、毎年リストは更新されている。2004年時点で100近くの化合物がリスト化されていて、26アレルゲンの多くを包括している。
本来は、EU域内の化学品を取り扱う上での法規制で、化学品取扱者の安全確保を目的としている。
【出典/参考資料】
「食品香料の国際法規との関わり」、高砂香料時報 No. 146 2003年、佐藤朗好著、高砂香料工業株式会社発行、6‐9頁
「薬事申請における安全性試験と動物福祉」、環境変異原研究 Vol.27 2005年、紀平哲也著、日本環境変異原学会発行、139‐143頁
「世界の化学物質管理(TSCA・化審法)」、塗料の研究 No.142 2004年、齋賀徹著、関西ペイント株式会社発行、34‐42頁
「香料メーカーにおけるリスク管理の実際」、FRAGRANCE JOURNAL Vol.30 No.11 2002年、加藤高著、有限会社フレグランスジャーナル社発行、58‐63頁
「欧米のアロマケミカル事情」、高砂香料時報 No. 155 2005年、松田洋幸著、高砂香料工業株式会社発行、6‐9頁
「第9章 香料の安全性」、においかおり:実践的な知識と技術 2006年、堀内哲嗣郎著、有限会社フレグランスジャーナル社発行、217‐234頁