3.1.4.悪臭防止法
悪臭防止法は生活環境の保全と国民の健康保護を目的とする規制である。規制の対象となる特定悪臭物質には香料原料となるものもあるほか、各自治体で独自に規制物質を設けている場合もあるため、この法律に抵触しないよう、対策について遺漏の無いようにする必要がある。
3.1.5.危険物輸送基準
危険物の国際間輸送を安全かつ円滑にするため国際連合危険物輸送専門委員会によって、いわゆる国連勧告が出されている。
この国連勧告をもとにして、陸、海、空の危険物輸送機基準の国際統一が図られている。日本においてもこれらの国際的統一規制に準拠して危険物船舶輸送及び貯蔵規制(危規制)、港則法、航空法施行規則(航空法)が定められている。香料が主に関係するのは、クラス3、引火性液体の項で、引火点が61℃以下の液体については、4桁の国連番号が決められ、それに基づいて包装等級や積荷の基準等が定められる。
3.1.6.有機溶剤中毒予防規則
有機溶剤中毒予防規則は労働安全衛生法を補足する内容のもので、揮発性有機溶剤などによる中毒を予防するための規則である。
自社内での様々な管理の他、労働安全衛生法で商品譲渡側に該当商品への表示、例えばMSDSなどへの記入を義務付けている。
香料では、揮発性の高い酢酸エステル類などの香料物質で第二種有機溶剤に該当するものがある。
3.1.7.毒物及び劇物取締法
毒物及び劇物取締法は、化学物質の毒性に着目して保健衛生上の見地から取締まることを目的とする法律である。
香料の中では該当する例は少ないが、たとえば酢酸エチルは劇物に指定されており、興奮、幻覚または麻酔作用を有するものとしてみだりに吸入・摂取することまたはそれを目的とする所持は禁止されている。
有機シアン化合物も劇物に該当するため香粧品香料の原料にも該当するものがあるが物質ごとに必要なデータを添えた申請をして認められれば除外となるため、実際に対象となっているのは一部の物質である。