7.有機化合物は環境によりたやすく変化する:変化し方と毒性症状の系統的理解
有機化合物の中でも反応が早いもの遅いものがあります。
有機化合物は自分の中の炭素と塩素の結びつきが強いので他の物との反応は遅く、環境中で変質せずに溜まって増え続けるので地球環境問題になりました。
フロンもその1つです。
その反対に、イソシアネートは水との反応が早いから環境中でもすぐ消えるのだろうから、イソシアネートの環境毒性は心配しなくても良い、と化学学生が文句を言ってきました。
しかし環境省が資料で調べた実際の大気中半減期を見て下さい。
図7-1、(環境省化学物質ファクトシート参照2014年現在)、表7
1(AIHce 2016 PDC423、https://www.aiha.org/events/Documents/PDC%20Handouts/PDC%20423%20Handout.pdf)。
アミンは短くて、クロロ化合物やニトリルは長くて、イソシアネートとアルデヒドは同じくらいです。
大気中の存在する形が、イソシアネートでは蒸気即ちバラバラな分子で水蒸気分子と折衝するものは少なく、ミスト・液の粒や粉粒体・固体の粒として浮遊するものの方が多いのです。
粒になっている場合には分子が水蒸気と接触しないように覆われていますから実際の大気中半減期が短くないのです。ミストも微粉も呼吸で肺に入ればイソシアネートの毒性を発揮します。
イソシアネートは水との反応でアミンに、アミンとの反応で尿素に変わり、最低影響濃度が濃い方に変わります。しかしアミンは発がん性があって、毒でなくなるわけではありません。
空気中では、一般に有機化合物は参加されやすいです。
毒性が少ない飽和炭化水素・アルカン(メタン、エタン、プロパン、シクロヘキサンなど)も、酸化が進むにつれて、→アルコール→アルデヒド→ケトン→カルボン酸、と変わり、アルデヒドとケトンが一番毒です。
カルボン酸になるとアルカンと反応してエステルになり、毒性が少ない良い香りになります。
さらに参加が完全に進むように食う機中で加熱して燃焼させると、水蒸気と炭酸ガスになり無害な空気成分になります。
窒素を含む毒性化合物も償却では水と炭酸ガスと少量のNOxになります。
煙突からのNOxの除去技術は確立しているのでその悪影響は殆ど考えなくてよいでしょう。焼却前の破砕や混合の過程での方が、毒性の窒素願用化合物を大量発生させる可能性?があります。
火災の時には窒素を含みポリマー製品からシアンガス(青酸ガス)が一酸化炭素の影響領以上に発生することも確かめられた例があります。(内藤裕・中毒百科)。