提言
最近発表された研究報告書、厚生労働科学研究費助成金(化学物質リスク研究事業)・家庭用品から放散される揮発性有機化合物/準揮発性有機化合物の健康リスク評価モデルの確立に関する研究や室内空気汚染物質定常型放散源の定量的スクリーニング並びに呼吸域暴露評価手法の開発研究によると、試験した30種の日用品中27種から健康影響レベルのイソシアネート類が検出されたことが明らかにされた。
近年、生活環境の中にイソシアネート類を原料とした製品が急拡大し、消費者の健康影響が問題になっていることから、欧米では既に代替品が開発され市場に採用されている。日本においても代替え材料使用の促進を図ることが望ましい。
またイソシアネート類は環境中でごく低濃度でも特段に悪性のアレルギーを発症しやすい化合物系統であるから、その全種類の合計濃度が感度良く分析できるような国際的なレベルの分析方法と技術、ならびに汚染状況を普遍的に調査できるように簡便な分析器・分析方法を開発して化学物質障害に際しての原因科学捜査や保健所での環境把握と衛生指導と消費者の自衛に活用を促進することが望ましい。
平成29年3月末日
特定非営利活動法人化学物質による大気汚染から健康を守る会・VOC研
理事長 森上展安