-9:電磁波過敏症アンケート 2009 | 化学物質過敏症 runのブログ

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化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

3.経済的な負担
1)電磁波対策にかかわる費用
発症者は電磁波を避けるため、電磁波の少ない環境への転居や、電磁波を遮蔽するための住宅工事、電磁波の少ない家電製品への買い替えなどを行い、経済的な負担が発生している。
携帯電話の電磁波は金属にぶつかると反射されるので、金属製外壁材を貼ってアースをとることで、屋内へ侵入する携帯電話電磁波を、ある程度削減できる。

金属ガスを封入した窓ガラス「Low-E ガラス」も電磁波対策に使われている。

より簡単な方法として、金属を繊維にコーティングしたシールドクロスも広く利用されている。
 回答者のうち 40 人(53.3%)がシールドクロスを利用し(総額596.8 万円)、10 人(13.3%)が住宅工事を行っていた(総額 635.8 万円)。
18 人(24.0%)が電磁波の少ない環境へ転居したり住宅を購入・新築(総額 1 億 5091 万円)した。

17 人(22.7%)が家電を買い替え(総額299.5 万円)、2 人(2.7%)が電磁波の少ない車に買い替え(総額105万円)、23 人(30.7%)が蛍光灯から白熱灯に切り替えた(73.3 万円)。

また、電磁波測定器を購入した人は 6 人(8.0%、総額 59.3 万円)だった。これらの費用を合計すると約 1 億 6860 万円になる。

アルミ板を貼ってアースをとった廃棄された家電製品は、冷蔵庫 9 人、テレビ 7 人、電子レンジ 6 人、IH 炊飯器 5 人、洗濯機、電気毛布、電気カーペットが各 4 人、IH 調理器 3 人、こたつ、エアコン、FF 式ストーブ、携帯電話、ファックス付き電話が各 2 人だった。
新たに購入された電気製品は、小型 TV2 人、冷蔵庫 2 人、湯たんぽ 3 人、ガスストーブ 2 人、ペレットストーブ 2 人、黒電話 2 人、圧力鍋 1 人、電磁場の少ない電気毛布 1 人などだ。「洗濯は手洗いで、掃除は帚で」という人もいた。

 

2)仕事への影響
回答者のうち、有職者は 40人だった。

職業は医師,看護士、リハビリ助手、医療事務、ケアマネージャー、マッサージ師など医療関係、大学教員、小学校教師、養護教諭、保育士など教育関係、公務員、会社員、ストアマネージャー、ピアノ教師、アニメーター、自営業、パートなどさまざまだ。
これら有職者 40 人中、発症によって大きな影響が出た人は26 人(65.0%)だった。

労働時間が短くなった人は 5 人(12.5%)、無職になった人が 20人 (50.0 % ) 、休職中が 1 人(2.5%)だった。
収入が減少した人は 6 人、0円になった人は 20 人だった。
働き続けているものの、仕事の内容や職場をかえざるを得なかった人もいた。
45 歳女性(公務員)は「仕事内容が限られ、昇級や昇進に響く」と答えている。
ケアマネージャーだった女性(68 歳)は、仕事上、携帯電話の携行を求められ、24 時間連絡がとれるようにする必要があった。

発症後は、携帯電話を使わない小規模施設に移って働いている。
発症者は職を失ったり、仕事の内容が変更になるなどの変化を余儀なくされている。

また、収入が減少するなどの影響を受けているが、治療や電磁波対策などで出費も大きく、経済的な負担も発生している点も見逃せない。