シックハウス症候群・化学物質過敏症患者の静脈血酸素分圧の検討 | 化学物質過敏症 runのブログ

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http://jja.jsaweb.jp/am/view.php?pubdate=20050930&dir=2005a&number=05a_gl000528
一般演題
座長:青木秀夫(下仁田厚生病院内科)

528.シックハウス症候群・化学物質過敏症患者の静脈血酸素分圧の検討

長谷川眞紀 大友 守 秋山一男
独立行政法人国立病院機構相模原病院

背景:シックハウス症候群・化学物質過敏症は発症機序,病態もはっきりせず,disease entityの確立した疾患とは言い難い.その訴えは不定愁訴に近く,自覚症状を裏付ける他覚所見にも乏しい.

その中で当院臨床環境医学センターを受診した患者群に特徴的に見られたのは,末梢静脈の酸素分圧が高いという所見であった.

方法:初診時,および化学物質負荷試験の前後で静脈血酸素分圧(PvO2)を測定した.初診時と,負荷試験前の条件は同様と見なし,値の高い方を採用して臨床症状との関係を検討した.コントロール群として当院の医師,看護師30名のPvO2を測定した.

結果:コントロール群のPvO2は20torr前後であり,30torr以上の値を示したのは6名(20%)であった.

45torrを越える高値を示した者はいなかった.

患者群(n=111)では30torrを越える高値を示す者が55%にのぼり,コントロール群では見られなかった45torr以上の値を示す者も24.3%に見られた.

しかしPvO2の値とQEESIによる症状スコアーには相関は見られなかった.

また初診時,負荷試験前後で複数回PvO2を測定した患者においてはその値が非常に変化しやすい傾向が見られた.

結語:PvO2は多くの患者において高値を示すがその意義はこれからの検討課題である.
第55回日本アレルギー学会秋季学術大会 2005年10月開催