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病院のにおいは換気量不足が原因!換気システムの過信は危険
病院のにおいは換気不足が原因
病院に行きますと独特のにおいがします。

そして私たちはそれを「病院のにおい」または「病院臭」として、そんなものだと何ら違和感を持たずにいます。

しかし実はそのにおいが空気汚染のバロメーターとなっていることをご存知でしょうか?
 
病院独特のにおいの元は衛生管理のために使用される殺菌剤や消毒剤、そして患者に使用する薬剤などからの揮発によるものです。
 
そしてそれらのにおいが常にする、ということは、病院内の換気が十分ではない、ということの証となるのです。

なぜなら、真の意味で施設に合った量の常に新鮮な空気が供給され、また排出されていれば、それらのにおいは気になるレベルには無いはずだからです。
 
病院内が新鮮な空気で満たされることは、病院を訪れる方の2次感染予防、入院患者の回復期間の短縮だけでなく、毎日大変な思いをして働いておられる医療従事者ご本人とその方々の子供達が健康に生まれ、育つために必要なこととなります。
 
こちらのページでは、病院に導入されている24時間換気システムの盲点と病院内の空気を汚染しているにおいについてご紹介致します。
 
入院患者の回復期間短縮のためだけでなく、医療従事者とそのご家族が健康に過ごすための参考になれば幸いです。
病室の換気量は一般住宅の12倍?なぜ病院臭は減らないの?
病院臭が無くならないわけ
平成15年(2003年)建築基準法が改正され、一般住宅だけでなく、学校やオフィス、そして病院にも機械を使用した強制換気設備、いわゆる24時間換気システムの導入が義務化されました。
 
この換気システムの導入義務化により屋内の空気は、屋外の空気と24時間連続して機械によって、また施設や部屋毎に決まった回数入れ替えれらることになりました。
 
しかし、改正建築基準法の施行以前と、以降の「病院のにおい」にはそう変わりが無いように思います。それはなぜなのでしょうか?
 
総換気量の半分以上が屋内を循環している空気となっている

 
換気空調設備によって動かされる空気量=室内循環風量は、ICU(集中治療室)・一般病室共に1時間に6回なのですが、その回数のうち外気については、ICU(集中治療室)は最低1時間に3回分、そして一般病室は最低1時間に2回分取り入れることが決められています。
(参考:「別紙2:各室空調温湿度、室内圧、空気清浄度等一覧表(1)」東京都病院経営本部)
 
これは、1時間に6回外気と病室内の空気が入れ替わる換気がなされるのではなく、24時間換気システムから出てくる全風量(室内循環風量)のうち、ICUであれば2分の1、一般病室であれば3分の1以上が外気であれば良い、ということになります。
 
室内循環風量中の外気量
 
なお一般住宅の換気量は1時間に0.5回と決められています。

ですから、室内循環風量で考えますとICUの換気量は一般住宅の12倍になりますが、外気取り入れ量で考えますと、実際の換気量は1時間に3回ですので一般住宅の6倍になります。
(※2016年11月現在、一般住宅に設置されている換気システムには屋内の空気を循環させているものはありません)
 
この全風量のうち外気が半分以下であることが適当かどうかと言いますと、ICUに関しては、ICUから一般病室に移れば数日~1週間程で治るICU症候群という特有の病気があることから完全に不足していると考えられます。
 
逆に言いますとICU症候群にかかる患者のいない病院ではICUの換気量はある程度適切なのではないかと思います。
 
また、ICUから持ち帰る洗濯物からは強い薬剤臭を感じると思いますが、ICUを出たばかりで同じような治療をしていたとしても個室や相部屋ではそれほど強い薬剤臭は付きません。
 
もしICU内で使用される薬剤などに対して換気量が適切であれば、ICU内に薬剤由来の揮発性の化学物質が大量に存在するわけはないのです。
 
そしてそれは程度の差であり、一般病室であっても薬剤臭はします。
 
 
なぜ外気取り入れ量が少ないのでしょうか?

 
本来「換気」とするには、屋外にある新鮮な空気を100%取り入れることがベストです。

しかしここに”コスト”または”エコ”というキーワードが入りますとそういうわけにはいかなかったようです。
 
病院運営費を少しでも削減するには、空調システムによって温度や湿度が既に適切に調節されている屋内空気をフィルターにかけて病原菌などを取り去り、再度循環させた方が低コストで済むのです。

これは、24時間換気システムを導入する際に政府は病院側の負担について配慮した、ということですね。
 
そしてこれが病院臭が無くならない=病院内の空気汚染が減らない理由の一つとなります。
 
また、導入されている24時間換気システムの方式そのものにも病院臭が無くならない原因があります。