-2:EPA はモンサントの研究を使った結果ラウンドアップを大目に見た | 化学物質過敏症 runのブログ

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化学会社に彼ら自身でテストすることを求めることは、科学的とは言わないまでも、資金不足のEPAにとって財政的に意味がある。

昨年、158億ドル(約1兆9,000億円)以上の純売り上げ(概略 EPAの年間予算の2倍)があったモンサントは容易にテスト費用を支払うことができる。

モンサント、シジェンタ、又はダウのような会社は、自身でテストするか、又はグリホサートレビューのための調査の多くを提供したワイルドライフ・インターナショナルや CeeTox, Inc.のような調査ラボに委託することができる。

  しかしこれらのシステムを批判する人々によれば、これらのラボは彼らを評価者として雇う大会社に依存しているという事実により、そのようなことは役に立たず、彼らの発見を歪めるだけである。

”彼らは誰が彼らのトーストにバターを塗っているか知っている”と食品安全センターの上席科学者であり、EPA 農薬プログラム室の前スタッフ科学者であったダッグ・グリアン・シャーマンは述べた。

”それは人々が必ずしも明らかに詐欺まがいのことをしようとしているわけではない。むしろその費用を払っている人の方向になびくよう圧力がかかるということである”。

  プロセスは、会社がどのラボにそのテストを実施させるかを選択する非常に早い時期に歪められる。

”産業側は、彼らが委託することができるエストロゲン陽性の化学物質をかつて見つけたことがない会社について非常によく知っている”と、内分泌かく乱とハザード評価を専門とするマサチューセッツ大学アマースト校の生物学教授ローラ・バンデンバーグは述べた。”あなたが隣人の中でどの職人が正直者ではなさそうなのかを知っているようなものだ”。

  EPAは、そのプロセスについて声明の中で自己弁護した。

”我々は、農薬製品を評価する時に EPA が人の健康への潜在的なリスクを評価するための透明で公開されたプロセスを維持することを明確にすることを望んでいる”という記述で、それは始まっている。

EPA の声明はまた、法律が農薬会社は彼らの製品を支える調査を求めていることを指摘した(訳注4)。

”調査データが EPA に提出されると EPA の科学者らは、調査の設計が適切であり、データが正確に収集され分析されていることを確認するために”データを分析する。

  シンジェンタは、農薬会社がEPAにデータを提供しなくてはならないと指摘した声明の中で次のように反応した。

”同法は製造者は新たな化合物が安全であることを証明する広範な科学的調査をすることを求めている。

EPA は調査がガイドラインを厳格に固守するよう管理し、文書化している。このことは EPA、研究科学者、及び公衆に対する最も高い透明性を提供している”。

  モンサントの報道担当は、 eメールに次のように書いた。”政府は、除草剤が安全に使用できることを確実にするために非常に多くの調査を求めている。

これらの調査のあるものは我々から出ることが求められるが、これらの調査の多くは、第三者の科学者及びラボにより実施される。

EPA は人間と野生生物における内分泌経路へのグリホサートの影響の可能性を評価する11の検証された分析を見た。そのデータのレビューに基づき、EPA は’エストロゲン、アンドロゲン、又は甲状腺の経路との潜在的な相互作用の説得ある証拠は存在しなかった’と結論付け、この結論は国際的な評価ガイドラインに従って実施された他の安全性研究の結果と一致する”。
  ダウ、ワイルドライフ・インターナショナル、及び CeeTox はインターセプトのコメント要請に答えなかった。


安全に対する誤った意識

  産業への依存は、アンドロゲン、エストロゲン、及び甲状腺ホルモン作用を阻害する可能性についてのEPAの農薬スクリーニングの取り組みのいくつかの限界のほんのひとつである。

その取り組みはまた遅延に付きまとわれている。

議会が、農薬が内分泌かく乱物質であるかどうかを見るためにスクリーニングを開始するするようEPA に権限を与えたのは 1996年のことであった。

それなのに、6月の52の農薬スクリーニングは、テストが求められて以来ほとんど20年経過して初めて、プログラムから出てきた成果物であった。

  その間、我々の内分泌かく乱物質についての知識は急激に増加し、それらに関するテストの多くは時代遅れのものとなった。

実際に、グリホサートのレビューのために提出された研究の多くは1970年代のものである。

あるものは40年前のものである。全部で27の産業側研究のうち15は、”内分泌かく乱”という用語が作り出された1991年より前のものである。

  内分泌研究の分野でこれらの研究が実施されて以来数十年間で、おそらく最も重要な発見は、ホルモン的に活性な化学物質はたとえ微量であっても強力な影響を持つことができるということである。

それなのに、EPAのスクリーニング・プログラムで使用されているカットオフ値は、最近の研究で影響を持つことが示されている最も低いレベルよりはるかに高かった。

  ”我々は、EPA が使用するカトオフ値より 1,000倍低いレベルで影響を見ている”と、バンデンバーグは述べて、そのような無神経なスクリーニングにより与えられる安全に対する誤った意識を警告した。

”それは、耳の遠いお祖父さんをテレビの前に連れてきて、聞こえますかと尋ね、彼が聞こえないと答えれば、テレビの音は出ていないと結論付けるようなものだ”。

  産業側に提供されたデータと同じように問題があるのは、EPA が考慮しない研究があることである。

”彼らは、その分野の他の人々が完全に妥当である考える研究を除外する”と、食品安全センターのシャーマンは述べた。

又は、グリホサート・レビューの場合のように、独立的に実施された研究により発見された有害性は検討されるかもしれないが退けられる。

  独立系の科学者らは、長年の規制における農薬産業の役割 (訳注5) について非難してきたし、利益相反のあるどのような研究も除外することを含んで、それを正す方法を提案してきたが、ほとんど前進はなかった。

  実際に、このレビューは切り抜けたが、グリホサートは現在、もっと大きいが同じく欠陥のあるもうひとつの規制のハードルに直面している。

15年毎に EPA は市場にある農薬を最新の科学に照らしてレビューしなくてはならない。

人への健康影響に関する研究を含み、今後数か月で完了することが期待されているグリホサートのレビューは、国際がん研究機関(IARC)が今年の3月にグリホサートをヒトに対する発がん性がおそらくあると分類した(訳注6)後に初めて行われるものである。

もしEPA が、フランスやスリランカのようにグリホサートを登録しなければ、それは本質的には禁止されたことになる。

  モンサントは、最近の EPA レビューについて、”グリホサートの安全性は農業製品に関してまとめられた最も広範な世界的な人の健康データベースのひとつによって支持されている”とそのブログで述べつつ、その製品はやがて行われるのEPAのレビューで生きながらえるであろうと楽観しているように見える。

  残念ながら、モンサントがそのデータの大部分を提供している。