・08)「外反母趾の術後も足が痛い(30代 女性)」
【主訴】
外反母趾で足の指が痛い。
以前から外反母趾があり、ある整形外科を受診したが、そこの医師との折り合いがうまくいかなかったため、別の病院の整形外科を受診した。
そこでレントゲン検査の結果、足に骨の棘があるのでそれも一緒に手術したほうがいいと薦められ、手術を受けた。
しかし術後も痛みは改善せず、足の指は曲がり、歩き方も身体がだんだん傾くようになっておかしくなってきた。
これまで何度か靴も作ったがどれも効果なし。最近は足の裏も痛いと言っている。
【質問】
○○医大のペインクリニック科に行ったほうがいいか、それとも別の病院に行ったほうがいいか?
とにかくこの痛みさえとれればいい。
【アドバイス】
結論から申しますと、あちこち行くよりは○○医大に行って診察を受けるといいと思います。
その前に少し知っておいてほしいのが、慢性痛の治療についてです。
お子様の場合は外反母趾の術後で器質的(身体)な問題が原因となって痛みを起こしているかもしれませんが、慢性痛は器質的な問題以外にも、心因的な要素が混ざって痛みを長引かせているケースも多いです(相談者さま:確かに娘は痛みでうつ的になったこともあります)。
身体の痛みも心の痛みも脳で感じているので、これからは切っても切れません。痛い→憂鬱→脳で感じる→心(落ち込む)→身体(益々痛い)という負のサイクルがあって、厄介なことに「この痛みさえとれれば」「この痛みをゼロにしたい」と考えていると脳が益々痛みにとらわれてしまい、いつも痛みのことばかり考えてしまうようになります。
そうすると、それが身体に伝わって益々痛みがよくならない・・・こういうケースもありますので一つの知識として、「痛みがあってもそれと上手に付き合いながら生活を送っていこう」という考え方が結果的にお子様を楽にさせる可能性もあるということを覚えておいてください。
【相談者さまの言葉】
なるほど、よくわかります・・・。
私が心配しすぎて子供に構いすぎるのもよくないですね。気を付けます(笑)。
確かに一人の時はもっとしっかり歩いているみたいですし・・・。電話してよかったです、気持ちが楽になりました。ありがとうございました。
09)「足の指の感覚がおかしい(60代 男性)」
【主訴】
両足の指先の感覚が鈍い、長時間歩けない。
10年くらい前に腰痛と両足の指先のしびれがひどくなり、整形外科に行ってMRIをとったが原因がわからなかった。
内服、接骨院、カイロプラクテックなどで数年後完全に症状は消えた。
しかしその後自宅で転倒し、背中をソファーにぶつけて腰椎圧迫骨折。
以前と全く同じ症状が出た。
数か月でしびれは消えたが、足の指先の感覚が鈍いという症状は今も続いている。
神経内科や内科でも検査をしたが、コレステロール値が少し高いだけで糖尿病や血管の病気はないと言われている。
趣味の歌を歌っている時は痛みを感じない。
運動としては、毎日15分ほどウォーキングをしている。
【質問】
症状はあるが、自分の生活を充実させたい。
【アドバイス】
「感覚が鈍い」と「長時間歩けない」という症状のため、糖尿病と閉塞性動脈硬化症を視野に入れて質問(検査値、足の温度差、脈のふれ方、皮膚の色など)をしたが問題はないようだった。
(相談者さま:病院に行ってもただどこも悪くないよと言われるだけでさっきのように理由づけをしながら色々と訊いてくれるとこちらも納得できる。)
歌を歌っている時は症状の事を考えないと思いますから、脳が解放されていたんですね。
つまり症状の事を考えない時間を増やしたり、こだわらないことです。
マイナス思考をやめてプラス思考に転じていくことです。
(相談者さま:私も心理学の事を学んだことがありますからおっしゃることはよくわかります。実践していこうと思います。)あとは運動療法です。
すでにウォーキングをされているので、それを是非続けてください。
姿勢を正し、漫然とではなく記録をつけて評価できる形にすることも大事です。
運動はそれに集中することによって、痛みや症状を和らげる物質が出ると言われています。
【相談者さまの言葉】
脳内物質などについてもまったく知りませんでした。そういう事を知って歩くと張り合いが出ます。ありがとうございます。頑張ります。今日は恐る恐る電話しましたが良かったです。