04)「椅子に座るとお尻が痛い(30代 男性)」
【主訴】
お尻が痛い。
数か月前から上記症状あり。
座ると痛みが出る。しびれはない。
整形外科でMRIやレントゲン検査を受けたが異常なし。
その後鍼治療も受けたが効果がなかったので通院をやめた。
今は民間の骨盤矯正に行っている。またリリカやトラムセットなども内服したが効果はなかった。運動は以前からしている。
【質問】
具体的な治療法が知りたかった。同じような症状の人はいるのか?
トリガーポイント注射などはどうか?骨盤の歪みがあったらお尻が痛くなるのか?
【アドバイス】
痛みも不快な情動も脳で感じています。
また痛みにはどれだけ調べてもその原因が見つからないものもあるのでそれを理解することも大事です。
同じように椅子に座るとお尻が痛いという方はいらっしゃいますが、その程度は本当に様々です。
今、日常生活には支障がなく四六時中痛いわけでなければ、痛みにとらわれないように認知を変えていくことが大事だと思います。
ただ、いきなり180度ものの考え方を変えるのは困難ですから徐々に小さな積み重ねをしていってください。
運動はもうすでに習慣化しているとのことですのでそれもやめないことです。また、痛みを取る、ゼロにする、ということを目標にしているとそれが達成できない限りあなた様の脳は結局痛みにとらわれている状況ですので、「痛みがあってもこれだけのことができている」という考え方をしていってください。
梅干しを見たら自然と唾液が出るように、まだ座ってもいないのに椅子を見ただけでお尻が痛くなったりする方もいます。
それはまさに脳が関係しているということです。
慢性痛は切り傷の痛みが数日で治るものとは性質が異なりますから、劇的に効く薬や治療法もないのが現状です。
【相談者さまの言葉】
なるほど。脳が関係しているのはテレビでもよくやっていて知っていたがよくわからなかった。でもだいたいわかりました。気長にやれということですね。ありがとうございました。
05)「歯の治療後から歯と舌が痛くなった(60代 女性)」
【主訴】
歯、舌が痛い。
何十年も前から舌の痛みはあったがこんなもんだと思って生活してきた。
数年前に歯科で歯石除去をしたあとから歯の先から痛くなり現在に至る。
酷い時は口の中全体が痛い。様々な病院に行ったが異常ないと言われ、現在は○○医大の歯科口腔外科で抗うつ剤などを飲んで治療中。
【質問】
治療してもすぐに良くならない。このままの治療でいいのか?
また、自分と同じような痛みの患者さんがいるのか?その人はどうやって良くなったのか?
【アドバイス】
慢性痛は、包丁で指を切ったあとが数日後によくなっているような経過を辿らないことが多いです。
そして、身体中のどこを調べても悪いところが見つからないのに痛みが起きることがありますのでそこをまず理解してください。
今の治療法としては、実際に抗うつ剤に効果があるケースもございますので特に問題はないと思います。
また、同じような症状でお困りの方はいらっしゃいますが、こうすれば劇的によくなったということは電話相談では聞いておりませんのでわからないのが正直なところです。
ただし、すでに実践されているように痛みと上手に付き合いながら生活をしていく考え方は不可欠です。
さらに、痛みを取り去ることや原因を突き止めることをゴールにしているといつまでたっても脳が痛みにとらわれている状態から抜け出せません。身体の痛みも心の痛みもあなた様の脳が感じていることを知って、これからも生活していってくださると結果的にあなた様ためになると思います。
【相談者さまの言葉】
なるほど、よくわかりました。話をしてもらって心強く思います。趣味の俳句も楽しんでいますし、なるだけ楽しく生きていきたいと思います。ありがとう。