化学物質過敏症の労災認定をめぐって2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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3.認定を阻む「個別症例検討会」
 「化学物質に関する個別症例検討会」は、2007年6月21日に厚生労働省内に設置され、同省補償課職業病認定対策室が運営している。

同検討会の開催要項には、趣旨・目的として「化学物質に関する疾病においては、いわゆる「化学物質過敏症」等として労災請求される場合があるが、こうした疾病については、自覚症状をはじめとする多様な症状を呈し、また、診断にあたっては他の慢性疾患との鑑別が必要となる」とし、「 化学物質過敏症等の発生機序について、いち早く研究着手している米国においても、主として心的要因の観点、神経感作の観点、慢性蓄積性中毒の観点からそれぞれ研究が進められているが、疾病概念について医学的コンセンサスが得られていない現状がある」として、「化学物質に関する疾病に精通した専門家を参集の上、医学上の意見を徴し、労災請求事案への的確な対応に資する」と明記されている。

同検討会に参集した医学専門家の名簿も公表している。

 相澤好治氏は、労働保険審査会において度々、化学物質過敏症を労災と認めない厚生労働省側の立場の専門意見書を提出したり、化学物質過敏症の傷病概念をめぐって、同じ北里大学にいた石川哲医師や宮田幹夫医師、坂部貢教授(北里大学病院、現東海大学教授)らと対立する専門家として知られている。

また、岸玲子氏は、主任研究者として作成した「シックハウス症候群に関する相談と対策マニュアル」(08年3月 地域健康危機管理研究事業 「シックハウス症候群の実態解明及び具体的対応方策に関する研究」研究班)で、「化学物質過敏症は、自律神経系の不定愁訴や精神神経症状が主となる症候群であり、精神的ストレスが症状に強く関与する」と、喧伝。

シックハウス症候群や化学物質過敏症の患者や支援団体からの指摘により、マニュアルを回収させた。

「化学物質に関する疾病に精通した専門家を参集」したと言っても、著しく化学物質過敏症を認めない専門家に偏ったメンバー構成であるとの印象を拭うことはできない。

従って、同検討会設置後に認定率が極端に低くなったのは当然と言えるだろう。

 同検討会設置直後に不支給決定を受けた2事例を取り扱った特定非営利活動法人東京労働安全衛生センターの内田さんは、次のように書いている。「個別症例検討会は、化学物質過敏症を「化学物質症状が慢性化したもの、あるいは、化学物質を吸引し続けたことによる遷延化した症状」であるとする一方で、遷延化した症状については、「未だ医学的な合意が得られていない」という理由で化学物質ばく露との因果関係を認めないという意見を出し、化学物質過敏症の労災をことごとく却下し続けています」(「ピコ通信」138号 本誌366号転載)

 このように、化学物質に関する個別症例検討会が当初から、「化学物質過敏症の労災を阻む」検討会として立ち上がっていることを見るならば、内田さんが言うように「化学物質過敏症の労災として認めさせるためには、まず、現行の「化学物質に関する個別症例検討会」を廃止させ、労基署段階での決定を迫っていかなければ」ならないだろう。



runより:この部分がとても重要なので分割しましたが相澤好治氏は北里の医学部で化学物質過敏症研究チームにいながら主要メンバーと対立。

岸玲子氏は現在も厚労省からの委託研究を行っているが思想はご覧の通りです。

個別症例検討会は完全非公開で査問庁から一部公開を要求されても一切公開しなかったほど陰で何しているのか分からないです。