・2007年4月26日の日経メディカルで取り上げられました。
線維筋痛症
全身の広い範囲にわたって痛みを感じる病気です。
「関節や周囲の骨、筋肉などが痛む病気」という意味でリウマチ性疾患です。
しかしリウマチのような関節の腫れや変形はなく、一般の検査では目立った異常はみつけられないのが特徴です。
まだあまり名前の知られていない病気のため理解されないことも多いですが、「詐病」や「怠け病」などではありません。
命に関わる病気ではありませんが、痛みのために日常生活や社会生活に支障が出るほどになることもあります。
症状
全身や広範囲が痛み、またある部分だけが痛むことがあります。
その痛みは軽度のものから激痛まであり、耐え難い痛みであることが多いです。
痛みの部位が移動したり、天候によって痛みの強さが変わったりすることもあります。
痛みが強いと日常生活に支障をきたすことが多く、重症化すると、軽微の刺激(爪や髪への刺激、温度・湿度の変化、音など)で激痛がはしり、自力での生活は困難になりますが、重症化する前に早めに受診して対策することが必要です。(中略)
痛みによって不眠となりストレスが溜まり、それがまた痛みを増強させる場合もあると考えられています。
随伴症状
こわばり感、倦怠感、疲労感、睡眠障害、抑うつ、自律神経失調、頭痛、過敏性腸炎、微熱、ドライアイ、記憶障害、集中力欠如、レストレスレッグス症候群などが伴うこともあり、リウマチや他の膠原病を併発している場合もあったりして、その症状には個人差があります。
診断方法
現段階では1990年に発表されたアメリカリウマチ学会の分類基準を参考にしています。
全身に18箇所の圧痛点があり、4kgの力で押し11箇所以上痛く、また広範囲の痛みが3ヶ月続いていることが条件。
11箇所以上でなくても専門医の判断で線維筋痛症と診断されることもあります。
何科に行けばいいのか?
リュウマチ科が最も一般的ですが、内科、心療内科、整形外科などでも診療してくれるところもありますが、下記リンク先の‘一般財団 日本線維筋痛症学会‘のホームページより、診療ネットワークMAPからお近くの医療機関を検索され、各医療機関に電話でご相談されてから、受診されることをお勧めいたします。
治療
根本的な治療法は確立されていませんので、症状をみながら次のような療法が行われていきます。
抗炎症剤、精神安定剤などの薬物療法や、電気治療、温熱治療などの物理療法、ウォーキング、水泳などの運動療法、鍼灸、マッサージ、指圧、カイロプラクティックなどの代替療法などがあります。
欧米では、心理療法である認知行動療法がさかんに行われているそうです。
また、仕事と休養のバランス、リラクゼーション、ストレスの軽減などのライフスタイルの見直しも必要となります。
最後に
線維筋痛症という認知度がまだまだ低い病気、それでも日本には200万人もの人たちがその病気で苦しんでいるという現実があります。
医師すら認知度が低くて、その上検査で異常なしとなれば、原因不明の痛みを抱えているにも関わらず、なかなかちゃんとした診断を得られない人たちもいると思います。
それによって治療を何も受けられないこともあるかもしれません。
もしも自分が思い当たる症状が出た場合、こういう病気もあるのだと頭の隅に入れておくことで対処がもしかしたら早くなることもあるかもしれません。