15:電波ばく露による生物学的影響に関する評価試験及び調査 | 化学物質過敏症 runのブログ

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4. 内分泌撹乱様作用評価試験

Ⅰ 要旨
本研究の目的は、携帯電話から発せられる電磁波が内分泌撹乱様作用を有するか否かを明らかにすることである。

これまでに報告されている内分泌撹乱物質の多くがエストロゲン様作用を持つことで生体内における内分泌に影響を及ぼすと報告されており、これを踏まえ本研究においては電磁波ばく露によるエストロゲン様作用の可能性につき検討を行った。
内因性のエストロゲンの影響を考え、本研究においては卵巣切除後の雌のSprague-Dawley(SD)ラットを用い、高周波電磁波の短期ばく露の影響を明らかにするために実験を行った。
電磁波ばく露は、ばく露群のラットに1439MHz TDMA PDC方式の電磁波をカルーセル式のばく露装置を用いて、脳平均SAR7.5W/kg、全身平均SAR1.2W/kgの強度でばく露させた。

偽ばく露群に対しては、ばく露群と同様な電磁波ばく露装置に入れる処置のみを行った。ケージ群のラットは、電磁波ばく露装置には入れなかった。

なお、陽性コントロールとして17-β-エストラジオールを投与するE2群を設定した。

体重を測定した後子宮を切除し、子宮重量は脂肪組織を除去した後に計測した。血清エストラジオール値はラジオイムノアッセイによって評価した。
結果は、子宮重量/体重比、血清エストラジオール値ともにばく露群、偽ばく露群、ケージ群の3群間において有意差は認められなかった。

また、本実験条件においては携帯電話の電磁波レベル(脳平均SAR<2 .0W/kg)を大幅に上回る強度の電磁波ばく露によっても、血清エストロゲン濃度、子宮重量に有意な影響をもたらさないことが示された。