「香りが苦しい」―生活空間を汚さないで! | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出展:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
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・「香りが苦しい」―生活空間を汚さないで!
香料自粛を求める会 小沢祐子
理事 橘高真佐美
世界最大の一般消費財メーカーである米国のP & G 社が展開する柔軟剤「ダウニー」の日本参入以降、洗剤や洗濯・乾燥時用着香剤、衣類用芳香消臭スプレー、シャンプー、リンスなど強い香りの着香製品が増加し、私たちは日常的に香料に曝されるようになった。
 柔軟剤等による体調不良や健康被害に関する新聞報道も少なくない。

柔軟剤や芳香剤の香りで健康被害を受ける人が増加し、消費者庁と独立行政法人国民生活センターによる事故情報データバンク*1では、他人や本人が使用した着香製品による相談件数が、柔軟剤だけでも450件(2015年10月1日現在)報告されている。

国民生活センターは、2013年9月19日の報道発表で、「柔軟仕上げ剤」に関する危害相談件数の急増を報告、消費者に注意喚起し、日本石鹸洗剤工業会にも「商品の注意表示や啓発活動など周囲への配慮を促す取り組み」を求めた。

2014年10月14日には更新情報を公表、業界は「周囲への配慮、適量使用」を促す啓発をしたとあるが*2、はたしてそれで済む問題であろうか。
 香料自粛を求める会が、2013年に香料への曝露体験事例を募集したところ、3週間で10代から80代まで47事例が集まった。各地に、教師や保護者、友達の香りに苦しむ子どもたち、職場の同僚や近隣からの曝露、病院や介護支援の利用、外出や公共交通機関の利用が困難な人等がいる。

特にこの数年、残効性を高めた製品が増えて、生活上の支障が大きくなったと訴えている。
 15歳女子中学生A は、小学生の頃から、洗剤や色々な香料入り製品の匂いに敏感で、頭痛、眠気、身体がだるくなり、先生の化粧品やリンス、衣服の洗剤等の香料でも頭が痛くなる。

17歳女子高校生B は、周りの人の服の柔軟剤等の香りで気分が悪く、体がだるくなり、頭痛、不眠、頻尿などの症状に苦しみ、次々と頭痛を起こす原因物質が増えていった。
15歳女子高校生C は、クーラー使用で窓が閉め切られると、頭痛、倦怠感、リンパ腺の腫れなどの症状が顕著になり、教室にいられる時間が減って、授業が思うように受けられなくなった。

新聞報道では、度重なる香料曝露で寝たきりになってしまった加古川市の中学生の深刻な事例もある。
 50代女性D は、職場で同僚の強い香りに2年間曝されて喘息様の激しい咳と酷い頭痛を発症、仕事のミスも多くなり会社から休職勧告を受ける。

医療機関を転々とし半年後に専門医を受診するもやむなく自主退職に追い込まれる。
40代女性E は、医療関係施設で隣席の男性スタッフの柔軟剤(ダウニー)に曝露、鼻の奥の痛み、喉の痛み、締め付けられるような頭痛を訴えて、医療機関を受診するが片頭痛と診断され、処方薬を服用するも効果はなく、医療従事者は「香料は患者に迷惑がかかる」との認識を持つべきだと訴える。

40代女性F は、朝起きると近隣の家から放出される洗剤や柔軟剤の匂いが家の中に流れ込み職場でも香料に曝露し疲弊して帰宅し、自宅でも服や髪の毛にまとわりついた移り香がいつまでも残って苦しい、衣類は洗濯しても移り香がとり切れない、夜には近隣の風呂場から強烈な香料が流れ込み、換気もできない、山に行ってもすれ違う人たちは強力な香り成分を放散していて逃げ場がない……そんな状況が続いた後、本格的に体調不良となった。
 集合住宅でも同様の訴えは多い。近隣のテラスや配管、換気扇から漂ってくる香料臭で、吐き気、咳、頭痛、倦怠感などに苦しむ、窓を閉め切って暮らしているが、体調不良を訴えても住人や管理人の理解は乏しく解決は難渋している。宅配業者の強い香り、飛行機や電車、バス、エレベーターなど移動空間での苦痛を訴える人も多い。
 病院では、他の患者の洗剤や柔軟剤臭が漂い待合室にいられない。医師や看護師など医療従事者の香りで息苦しい。

入院中、白衣や寝具の洗剤、他の入院患者の柔軟剤臭、トイレの芳香・消臭剤で苦しい思いをした等、多くの声が寄せられた。

介護現場でも、ケアスタッフの香りで頭痛や吐き気、気道狭窄などに見舞われ、支援が受けられずに困っている人、施設を退所せざるをえなかった例もある。